宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、地球へ帰還した小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセル内の小箱を開封し、直径数ミリ程度の黒い石が多数、存在しているのを確認した。小惑星リュウグウで採取した岩石のかけらとみられる。採取された試料は、目標だった0・1グラムを大きく上回っていると推定され、最初に目視で確認したJAXAの澤田弘崇・主任研究開発員は15日の記者会見で「数ミリサイズの試料がごろごろ、どっさり入っていて言葉を失うくらいだった。期待をはるかに上回る量を採取できた」と声を弾ませた。
JAXA宇宙科学研究所(相模原市)のクリーンルーム内で15日午前、試料を格納する小箱「サンプルキャッチャー」のふたを開封した。キャッチャーは全部で3室あり、今回開けたのは昨年2月の1回目の着陸で採取した試料が入った場所。14日にはキャッチャーを格納するコンテナの底部にも砂粒状の粒子が確認されていた。津田雄一・プロジェクトマネジャーは「これでサンプルリターン(試料持ち帰り)ミッションは完遂できたことになる。感無量だ」と語った。
2010年に初代「はやぶさ」が岩石質の小惑星イトカワから持ち帰ったのは微量の微粒子で、直径は大きなものでも数百マイクロメートル(マイクロは100万分の1)程度だった。リュウグウは有機物や水を含むとみられる小惑星で、採取された試料の量は桁違いに多く、粒子も大きい。科学分析をとりまとめる渡辺誠一郎・名古屋大教授は「色が黒く、有機物も相当含まれていると期待される。いろんな分析が可能になるので、わくわくしている」と話した。
JAXAは、カプセル内から検出したガスはリュウグウに由来するものと確認した。週内にも岩石のかけらを取り出し、年内に光学顕微鏡での観察や重量測定を開始。昨年7月の2回目の着陸で採取した試料は年明けに確認する。太陽系の起源や生命の材料物質を探る詳細な分析は来年6月以降に始まる見通しだ。【池田知広】
からの記事と詳細
https://ift.tt/3oUBMaa
科学&テクノロジー
Bagikan Berita Ini


0 Response to "はやぶさ2「大粒試料どっさり、言葉失った」 小箱開封で黒い石確認 - 毎日新聞 - 毎日新聞"
コメントを投稿