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より快適なハイブリッドワークの実現に向けて――Microsoftが「Windows 365」「Windows 11」に実装予定の新機能を紹介 - - ITmedia PC USER

 Microsoftは4月4日(米国太平洋時間)、オンラインイベント「Windows Powers the Future of Hybrid Work」において、「Windows 365」「Windows 11」に搭載される予定の新機能を発表した。

 この記事では、特に注目すべき新機能を紹介する。

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Windows 365の新機能

 法人向けサブスクリプション式クラウド仮想PCサービス「Windows 365」には、以下の新機能が実装される予定だ。いずれも、クラウドPC(サーバ上に構築された仮想PC)とクライアントPC(クラウドPCにアクセスするためのPC)の両方においてWindows 11が稼働していることを前提としている。

Windows 365 Boot

 「Windows 365 Boot」は、クライアントPCにおいてクラウドPCを最優先して利用できる機能である。

 クライアントPCでWindows 365のクラウドPCを利用する場合、従来はWebブラウザ、またはMicrosoft RDP(Remote Desktop Protocol)に対応するクライアントアプリからアクセスする必要があった。クラウドPCを利用する時間や頻度が多い場合、Webブラウザやクライアントアプリを起動してからログイン……という操作が“余計な手間”となり得る。

 Windows 365 Bootを有効化したクライアントPCでは、ログイン(ロック)画面からクラウドPCに直接ログインできる。あたかもクラウドPCをメインのPC環境のように使えるというわけだ。クライアントPCが生体認証(顔/指紋)に対応している場合は、Windows Helloを使ってクラウドPCにログインすることも可能だ。

 この状態でクライアントPCのデスクトップ画面にアクセスしたい場合は、後述する「Windows 365 Switch」を利用すれば簡単に画面の切り替えを行える。

Windows 365 Bootのイメージ Windows 365 Bootを利用すると、Windows 11で稼働するクライアントPCのログイン(ロック)画面からクラウドPCに直接ログインできるようになる

Windows 365 Switch

 「Windows 365 Switch」は、クラウドPCのデスクトップを「複数のデスクトップ(仮想デスクトップ)」の1つとして表示する機能だ。この機能を有効化すると、タスクビューアイコンやWindowsキー+Tabキーの操作によってクライアントPCとクラウドPCのデスクトップを行き来できるようになる。

Windows 365 Switch Windows 365 Switchを有効化すると、クライアントPCのデスクトップ画面とクラウドPCのデスクトップ画面を「複数のデスクトップ」と同じ要領で行き来できるようになる

Windows 365アプリ

 「Windows 365アプリ」は、Windows 365で構築されたクラウドPCにアクセスするための新しいアプリだ。Webブラウザ、あるいはRDP対応アプリを使うよりも迅速にクラウドPCを使い始められるという。

Windows 365 Offline

 Windows 365の最大の“弱点”は、利用する際にインターネット接続が欠かせないということにある。クラウドPCの利用中にインターネット接続が切断されたり不安定になったりすると、その時点でデスクトップにアクセスできなくなってしまう。大切な作業中に切断されてしまったら、かなり悲しい気分になるだろう。

 そこで、Microsoftはオフラインの状態でもクラウドPCを利用できる「Windows 365 Offline」の開発を進めている。オフライン時に行った操作は、オンラインに復帰した際にデータの消失なしに自動同期されるという。

Windows 365 Offlineのイメージ オフラインになってもクラウドPCを継続利用できる「Windows 365 Offline」という仕組みの開発中だという

Windows 11の新機能/機能改善

 Microsoftの最新OS「Windows 11」では、機能アップデート(Feature Update:大規模な更新)を待たずに新機能の追加や機能改善が随時行われている。同社によると、近日中に以下のような機能が追加されるという。なお、一部は「Windows 11 Insider Program」においてテスト済みのものも含まれる。

スタートメニューの「アプリ」フォルダー

 スタートメニューの「ピン留め済み(Pinned)」表示において、複数のアプリを1つのフォルダーに格納できるようになる。同じジャンルのアプリをフォルダーとしてまとめておけば、整理整頓がしやすくなるという寸法だ。

アプリフォルダー スタートメニューの「ピン留め済み」にフォルダーを作って複数のアプリを格納できるようになった

スタートメニュー/エクスプローラーへの「Context IQ」の実装

 Microsoftは、サブスクリプションサービス「Microsoft 365」においてAI(人工知能)ベースのレコメンド機能「Context IQ」の実装を進めている。Windows 11でも、近日中にスタートメニューや「エクスプローラー(File Explorer)」にContext IQが実装される。

 これにより、例えばクラウド(OneDrive)上にあるものを含むPC上のコンテンツを共有しようとすると、コンテンツの内容や過去の共有状況などを分析した上で、共有相手の候補を自動的に提案してくれるようになる。

エクスプローラーのContext IQ スタートメニューとエクスプローラーにもContext IQが実装された。ファイルの共有をしようとすると、内容や過去のファイルの共有状況などを踏まえて共有相手を自動提案してくれる

エクスプローラーへの「タブUI」と「お気に入り」の導入

 エクスプローラーには、タブUIと「お気に入り」機能が追加される。エクスプローラーのタブUIは、Windows 11 Insiderからのリクエストが特に多かった機能だという。

 お気に入り機能は、任意のファイルやURLをエクスプローラーの「クイックアクセス(Quick Access)」にピン留めする機能だ。よくアクセスするファイルやWebサイトへのアクセスが簡単になることが見込まれる。

タブUI Windows 11 Insiderからの要望が多かったエクスプローラーへのタブUIが正式に導入される
お気に入り ファイルやURLを「お気に入り」に登録すると、それまでのアクセスの頻度にかかわらずクイックアクセスに表示されるようになる

集中モードの機能改善

 通知の表示や音声を制限する「集中モード(Focus Mode)」では、集中モードを15分単位でインターバル設定できる「集中タイマー(Focus Timer)」も実装される。

集中タイマー 集中モードを15分単位でインターバル設定できるようになる

ボイスアクセス/ライブキャプション

 新たなアクセシビリティ機能(誰でもPCを利用できるようにするための補助機能)として、音声によってWindowsを操作できる「ボイスアクセス(Voice Access)」と、再生される音声に対してリアルタイムに字幕を付与する「ライブキャプション(Live Captions)」が実装される。

 ただし、これらの機能が英語以外の言語に対応しているかどうかは、記事執筆の時点で不明だ。

文字起こし ライブキャプション機能を使うと、Windowsで再生されている音声に対する文字起こしを行ってくれる

タッチ操作対応のPCにおけるスナップ機能の改善

 Windows 11では、ウィンドウのスナップ(再配置)機能が改善され、ウィンドウの「最大化」または「元のサイズに戻す」アイコンにマウスポインタを持って行くとウィンドウの割り方をフレキシブルに調整できるようになった。

 今後、この調整をタッチ操作でも利用できるようになる。指でウィンドウを画面の最上部に持っていくとウィンドウの割り方の候補が表示されるので、希望する割り方に指を滑らせて話すと、その通りにウィンドウが配置される。

ウィンドウスナップ ウィンドウのスナップ機能が改善され、タッチ操作でも利用できるようになった

 この他、タッチ操作時にタスクバーを極小化する機能なども実装される予定となっている。実装予定の新機能の概要は、以下のブログに記載されているので確認してみてほしい。

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