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小部屋でも映画館並みの迫力! 150インチの大画面を2,500ドルで叶える4Kプロジェクター「XGIMI Aura」 - GIZMODO JAPAN

少々の妥協はあるけど。

小さな部屋でも巨大映像が楽しめる短焦点プロジェクター、気になる存在です。このたび発売されたXGIMI(ジミー)のAuraは、壁から44cmほどで150インチ、30cmでも120インチの4K映像が楽しめます。米GizmodoのAndrew Liszewski記者がさっそくレビューしてますので、以下どうぞ!


コロナの状況は今ちょっと落ち着いてきたとはいえ、一番安心して映画鑑賞できるのはやっぱり自宅。ホームシアターを強化したい時期がまだまだ続きそうですね。最近のプロジェクターはどんどん安く有能になってますが、すべてそろった万人向けってものはありません。たとえばジミー Auraは、小さな部屋でも巨大映像が見られるのは素晴らしいんですが、使い勝手のうえでは妥協しなきゃいけない部分もあります。

今年7月に1,700ドル(約19万円)のジミー Horizon Proをレビューしたんですが、そこそこの音の8Wスピーカー内蔵で、家で映画館体験するには一番簡単で(比較的)安価な方法だと思えました。Google TVも入ってるので、箱から出してすぐにほぼすべてのストリーミングサービスも使えます。唯一の欠点は、これは従来型のプロジェクターに共通の問題ですが、壁に映すにしてもスクリーンを使うとしても、大きな映像を見るには部屋を横切って投影しなきゃいけないことです。なので途中でトイレに行ったりお菓子を取りに行ったりする人がいると、投影してるビームを横切ることになり、映像も乱れるし、動いてる本人も眩しいです。

短焦点プロジェクターは、その名前から推測できる通り、壁とかスクリーンから短い距離で巨大な映像を作れます。それをするにはクレバーな光学的トリック、たとえばローアングルから投影された映像の歪みを修正するカスタムレンズ等が必要です。従来型プロジェクターの問題点がほぼ解消されるのは素晴らしいんですが、後述するように設置するときの手間があります。

XGIMI Aura

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Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

これは何?:壁から17.3インチ(約44cm)の距離で150インチ(斜めに約3.8m)の映像を映し出せる短焦点4Kレーザープロジェクター

価格:2,500ドル(約28万5000円)

好きなところ:小さな部屋でも巨大映像が映せる、鑑賞中に動いてもビームを避ける必要がない、Google TV搭載

好きじゃないところ:Horizon Proより大きすぎる、自動台形補正やフォーカスツールといった便利機能がない

まず箱がでかい

性能スペックを比べると、Horizon ProとAuraの違いはそんなにありません。どちらも4Kだし、Horizon Proは明るさが2,200ルーメン、Auraはちょいベターな2,400ルーメンです。ただ、Auraは家に配送されてきた箱を見て「プロジェクター4個とか買っちゃった?」と思ってしまったくらい巨大です。

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上がHorizon Pro、下がAura。明るさの違いは200ルーメンだけです
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

Auraを見ると、Horizon Proが小さく見えます。Horizon Proもオールインワンプロジェクターとしてはコンパクトだとはいえ、「小さい」わけじゃありません。

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この巨体を載せられるなんらかの台がない場合、それも別途入手する必要があります
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

こんなヘビー級なので、Auraは三脚にマウントするようなタイプじゃないです。重量は33ポンド(約15kg)近くあり、外形も606×401×139.5mmと、昔のビデオデッキをさらに二回りくらい大きくしたイメージです。Auraを置けるTV台なり、使ってないミニテーブルなりがない場合、何らかの台を買うコストも考えておかないといけません。

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Auraにはかなりがっつりした冷却ファンが付いてますが、動作音は驚くほど静か。音が聴こえるのは、電源を落として急速冷却してるときくらいです
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

サイドには電源スイッチと、アクセスしやすいUSBポートひとつ、冷却用のしっかりしたファンがあります。Horizon Proのファンよりかなり大きいんですが、Auraは壁の近くに置くので、映像を見る側からはまあまあの距離があり、ファンの音はほぼ気づかないくらいです。音が聴こえるとしたら、電源を落とした後に一気に冷却するときだけです。

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HDMIポートが3つあるのはうれしいアップグレードですが、USB 2.0ポートはふたつだけ、USB 3.0に至ってはゼロです
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

他のポートがあるのは背面で、USB 2.0がふたつ、HDMIポートが3つ(うちひとつはARC対応)、あとはヘッドホンジャックと光デジタル出力ポート、LANポート、デバッグに使うmicroUSBポートがそれぞれひとつずつです。電源ケーブルは一般的なもので、この手のケーブルによく付いてくる四角いアダプタはなく、その部分は本体に内蔵されてます。

大きな箱に、大きな音

この大きさにメリットがあるとしたら、それは十分強力な内蔵スピーカーを収めるスペースがあることです。

Horizon Proには横向き8WのHarman/Kardonスピーカーが搭載されてましたが、それは部屋全体に音を届けるのが精一杯で、音量75%以上にすると不快なうるささになってしまいました。1台でホームシアターができるのは便利ですが、配置的に見ている人と並べて置くことになるので、サラウンドじゃないどころかステレオですらなくて、プロジェクターの近くに座った人にはうるさくてしょうがないんです。

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布のスクリーンの裏には、部屋をいっぺんに音で満たしてくれる15W×4=合計60Wのスピーカー。ただしサラウンドではありません
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

その点Auraの音事情はかなり良くなってます。プロジェクターの前面、布のスクリーンの内側に、15WのHarman /Kardonスピーカー4つ(ツイーター1対にサブウーファー1対)が内蔵されていて、より臨場感・満足感のあるホームシアター体験が可能です。サラウンドではないものの、低音のパフォーマンスはHorizon Proより明らかに良いし、音が部屋の前方から来るので、みんなが同じ音量で楽しめます

リモコンがすごくいい

Auraのワイヤレスリモコンはとくに画期的ってわけじゃなくて、Horizon Proに付属してたのとまったく同じですが、Horizon Proのリモコンがすごく良いのでAuraのも良いのです。

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今まで試したプロジェクターのリモコンでベスト。フォーカスなど重要な機能のショートカットボタンがあり、設定にも素早くアクセスできます
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

このリモコンは、背面から前面の下側にかけてのマットなメタルの使い方もすごく良いし、使いたいボタンがちゃんとそろってます。Google TVの操作ボタンに、Googleアシスタントへのショートカット、Aura自体の設定ボタンやフォーカスのボタンもあります。その分気をつけなきゃいけないのは、このリモコンをなくすとAura本体には電源ボタンしかないので、操作がまったくできなくなるってことです。

セットアップは(まあまあ)簡単

Auraのセットアップは簡単ですが、Horizon ProみたいなXGIMIの従来型のプロジェクターを使ったことのある人なら、自動でできると思っていた機能のいくつかがないことに気づくはずです。

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Auraを置く台が水平じゃなくても、脚で調整できます
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

どんなプロジェクターもそうですが、Auraが作る映像の大きさは、壁やスクリーンからの距離によって違います。Auraの場合、17.3インチ(約44cm)の距離で150インチ(斜めに約3.8m)の映像が映し出せるんですが、きれいに映すにはプロジェクターの面と壁やスクリーンを完全に平行にする必要があります。なのでAuraには調整用の脚が付いていて、本体をしっかり水平に、正しい角度に設置できるようになっています。

でも、この前レビューしたHorizon Proの場合、自動的にきれいな長方形の絵を描けて、しかも壁にある電気のスイッチみたいな障害物まで自動で避けてくれます。それに対しAuraの場合、その微調整は手動でやらないといけません

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自動の台形補正はAuraにはないので、8点補正システムで手動調節
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

手動といっても、それをサポートするための台形補正ツールが入ってます。8つの点(Horizon Proでは4点でした)をひとつひとつ合わせていって、すべての辺がまっすぐで完璧な長方形を作っていきます。それでもやっぱり、他のXGIMIのプロジェクターに比べると、Aura自体の置き方の調整にも、ツールを使った修正にも、余計に時間がかかります。

同じようなことはフォーカスに関してもあります。Horizon Proでは、リモコンのフォーカスボタンをダブルタップすると自動フォーカス機能が立ち上がり、くっきりした映像を作り出してくれました。Auraではそのボタンを押しても手動のフォーカスオプションが立ち上がるだけで、リモコンの左右操作ボタンを使っての調整になります。最後の微妙なところでは、完全にフォーカスしているかどうかの判断は自分の目でやらないといけません。

Netflix見るにもひと手間必要

AuraのOSがGoogle TV、っていうのは便利で良いんですが、Netflix公認デバイスにはなってません。なので、Disney+とかAmazon PrimeとかならGoogle Play Storeでダウンロードして普通に使えるのに、Netflixアプリだとすぐエラーが出て見られなくなるんです。

ただこの問題は、ひと手間かければ解決可能です。たとえばNetflixにアクセスできるアプリをダウンロードするのはそひとつだし、スマホなど別のデバイスからキャストするのもひとつ、もしくはChromecastみたいなNetflix公認ドングルを使ってもいいです。

画質は期待を裏切らず

AuraはHorizon Proより明るいだけじゃなく、部屋の端から端まで投射する必要がないので、明るさが失われにくくなってます。

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レーザーの光源は直接見ないほうがいいですが、有能な障害物検知システムがあり、何かが検知されるだけでビームが消えます
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

なのでAuraはすごく明るく鮮やかな映像を作り出せて、我が家のベージュの壁に投射してもばっちりです。明るい日中の見やすさはHorizon Proより若干ベターでしたが、液晶とか有機ELのディスプレイには、明るさもコントラストも全然かないません。プロジェクターを使うのに最適なのはやっぱり完全に真っ暗な部屋なので、日中Auraを使うときにはカーテンとかブラインドを閉じたほうがいいです。

ごく暗くした部屋では明るさもコントラストも素晴らしく、絵も大きくて、Horizon Proよりも間違いなくベターです。ただフォーカス調整をすごく注意深くしても、Auraの映像は、自動フォーカス機能のあるXGIMIの従来型のプロジェクターほどくっきりしてません。これは短焦点プロジェクターの構造からくる欠点でもありますが、全体的にはかなりシャープで、自動フォーカスされたプロジェクターの絵と並べて比べたりしない限り、不満は感じないと思います。

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投射する面のアラがはっきり見えちゃうので、Auraでは専用のスクリーンを買ったほうがいいかも
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

もうひとつ、これも短焦点ゆえの副作用ですが、投射する面は極力平らで、滑らかで、均質でないといけません。拙宅の映像部屋の壁は問題ないと思ってたんですが、上の画像でわかるように、完全にフラットじゃなく、それが投射された映像にはくっきり出てしまってます。真ん中の「Yoga for Mental Health」という文字が歪んでますよね。この部分は、いくらAuraの位置を変えたり台形補正したりしても修正できませんでした。

Horizon Proの場合、こういう細かな問題点は見えませんでした。一方Auraで見ると、絵を飾るフックを抜いた跡がとくにはっきり、ブラックホールみたいに見えてました。同じ場所はHorizon Proだと、ちゃんと光で埋まっていました。

妥協する価値はある?

Auraは2,500ドル(約28万5000円)と、1,700ドル(約19万4000円)のHorizon Proよりさらに800ドル(約9万1000円)高いです。Auraのほうが音もいいし明るさやコントラストも優れてるし、ビームの前を横切らないでもいいし、いろいろ良いことづくめとはいえ、その代わりに手放すものもまた見逃しがたいです。映りに納得できるまでかなり大変だったし、しっかりしたスクリーンを買わなきゃいけなさそうなのも負担です。

4Kプロジェクターを探しているほとんどの人にとって、Horizon Proはセットアップもキャリブレーションもしやすい優れたオールインワンの選択肢です。音はいまいちでしたが、改善したければ別途スピーカーを買えばいいだけで、シンプルに解決できます。でも、Horizon Proで大きな映像を映すには、壁から最低でも12フィート(約3.6m)離れた場所に設置しなきゃいけなくて、つまりかなり広い部屋が必要なわけです。それに対しAuraは44cm、いや30cmでも自宅で映画館体験ができます。小さな部屋に暮らしてる場合、ほんとに大事なのはこの1点だけなのかもしれません。

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