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2019年に届いた謎の電波、検証結果を発表 地球外生命体からか? - 朝日新聞デジタル

 宇宙の知的生命体を探している豪州のパークス電波望遠鏡が2019年、自然のものとは思えない奇妙な信号を捉えた。望遠鏡が向いていた恒星には、生命が存在する可能性のある惑星があるとされる。知的生命体からの信号なのか。注目が集まるなか、米国のチームが10月25日、検証結果を科学誌ネイチャー・アストロノミーに発表した。

 知的生命体の探査は16年に始まった「ブレークスルー・リッスン」計画の一環。車いすの物理学者として知られた英国の故スティーブン・ホーキング博士らが提唱し、1億ドルの資金をかけて、世界各地の望遠鏡で太陽系に近い100万の恒星と100の銀河を10年かけて調べる。

 謎の信号が届いたのは19年4月、パークス電波望遠鏡が、太陽系から最も近い恒星として知られるケンタウルス座のプロキシマ・ケンタウリを観測していた時だった。自然現象なら広く分布するはずの周波数が982メガヘルツに集中し、5時間以上続いた。電波は望遠鏡をこの星に向けていたときにだけ届いており、人工衛星や飛行機が発生源とも考えにくかった。

 研究チームは初めて、宇宙文明からの信号ではないかと疑う「関心ある信号」に認定し、本格的な検証を始めた。1977年に米国の電波望遠鏡が受信し、研究者が記録紙に驚きを記した「Wow!シグナル」以来の本格的な候補として、ニューヨーク・タイムズ紙が「ETからの電話か」と報じるなど注目された。

 プロキシマ・ケンタウリには、地球のように液体の水がある惑星が存在するとされ、探査機を送ろうという構想もある。こうした背景も、文明由来説に拍車をかけた。

 ところが、チームが観測データを総ざらいしたところ、謎の信号と特徴がそっくりな信号が新たに60個見つかったという。望遠鏡がプロキシマ・ケンタウリに向いていない時に受信したものもあった。

 一連の信号は周波数に規則性があり、デジタル機器でよく使われる周波数の倍数になっていることもわかった。具体的な発生源は特定できなかったが、カリフォルニア大バークリー校のソフィア・シェイク研究員は「信号はエイリアンからではなく、人間がつくり出したものだ」と指摘した。

 ただ、不思議なことに、同様の信号はその後二度と観測できなかったという。

 パークス電波望遠鏡は07年…

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