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ナマコも肝臓も「触れます」 VRで疑似体験、外科手術の研究を応用 - 朝日新聞デジタル

東北学院大工学部機械知能工学科 佐瀬一弥准教授

 バーチャルリアリティ(VR)で「触る」ことを目指して研究しています。2017年にはナマコを触る疑似体験ができる装置をつくりました。用意するのはVRゴーグルとロボットアーム。ゴーグルをつけて画面上に現れる3Dのナマコを、手もとの棒状のアームを操作して触ってみてください。ぐにゅっとした弾力やざらざらとした表面がアームを通じて伝わってきます。

 ナマコと棒がぶつかったときに発生する力の大きさをコンピューターが計算し、その力をアームに押し返すことで触感を表現しています。柔らかくて変形する物の触感は計算量が多くて再現が難しいです。いかに速く正確に計算するプログラムを書けるかは腕の見せどころです。

 元々は外科手術を練習するための手術シミュレーターの研究をしていました。医者の指先には力加減の緻密(ちみつ)なコントロールが求められます。VRで内臓や脳を触った感触をリアルに再現できれば、より実践的な手術の練習ができる。世界的にも盛んに研究される分野の一つです。

 ナマコの触感もこの研究を応用しました。他にも、健康な肝臓と病気で硬くなった肝臓の触感を再現したこともあります。触り比べることで「自分の肝臓がこんな風になってしまうのか」と生活態度を変えるきっかけになります。今後は身近な例では、ゲームの好きなキャラクターに触れることも可能になります。今はロボットアームの機材が高価ですが、30年後にはさらに社会に浸透した技術になっていると思います。(福岡龍一郎)

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