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「宇宙のかけらに触りたい」 妊娠、退職へて探査計画の研究トップへ - 朝日新聞デジタル

小惑星探査計画の科学研究チームリーダー 荒井朋子さん

 かつての彗星(すいせい)が、ちりを放出し切って小惑星になったとされる天体フェートン。全長9メートルほどの探査機「DESTINY+(デスティニープラス)」で接近して撮影し、すれ違いざまにちりの組成を観測しようという探査計画の研究のトップを務める。

 幼いころ、遠距離恋愛で結ばれた両親から「お父さんは火星、お母さんは金星から来て出会った」と聞いて疑いもせず、「地球の外にも生命はいるのかな」と宇宙に興味を持った。「宇宙のかけらに触りたい」と大学で月の石を研究し、宇宙開発事業団(現・JAXA)に入ったが、畑違いの開発部門に配属された。

 昼はメーカー、夜は米国との調整に追われる日々を経て、念願の月探査チームに異動した。直後に妊娠が分かり、育休が取れず体調を崩して退職した。

 でも「いつか科学探査を」という思いは消えなかった。大学時代の研究室を借りて休日に通い、年1本は論文を書き続けた。2009年、千葉工大にできた惑星探査研究センターに誘われた。

 フェートンが放出したちりが地球にぶつかると、毎年12月のふたご座流星群になる。地球の生命はちりに含まれる有機物から誕生したのかも知れない。探査は、謎だった生命誕生のきっかけを知る可能性を秘める。「探究心を形にしたのがこの探査計画。私の研究の集大成です」。打ち上げは3年後だ。小川詩織

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