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起死回生の策は「聖地巡礼」 落ち込んだ観光業、ツアー予約殺到も - 朝日新聞デジタル

 アニメや漫画の舞台となった場所を巡る「聖地巡礼」が九州の各県で人気を博している。国内外から一年中ファンが訪れることから、各地の観光協会は災害やコロナ禍で打撃を受けた観光業の起死回生策として期待を寄せている。

 熊本県人吉市のJR人吉駅から車で約5分の場所にある田町菅原天満宮。幅2メートルほどの拝殿がある小さな神社だが、人気アニメ「夏目友人帳」のオープニング場面の参考とされたことから、国内外のファンが頻繁に訪れている。

 「夏目友人帳」は熊本出身の緑川ゆきさんの少女漫画で、2008年からアニメシリーズが放送されている。妖怪を見ることができる少年の夏目貴志が、祖母が生前に子分にした妖怪の名前を集めた「友人帳」を受け継ぎ、用心棒役の大妖怪・ニャンコ先生とともに妖怪たちに名前を返し、自由を与えていく日々を描いている。

 拝殿には「夏目友人帳」と書かれたノートが積まれ、中には日本語や英語、中国語で「中国から来ました」「今回で6回目です」といったメッセージがびっしりと書かれている。

 ノートはファン同士が交流できるようにと、11年ごろから置かれている。今年で一冊60ページのA4判大学ノートで31冊になった。毎年3冊が埋まるペースでファンが訪れていたが、人吉などを襲った昨年7月の記録的豪雨やコロナ禍で観光客は激減し、昨年は1冊だった。人吉温泉観光協会の栗須幸子さん(41)は「徐々に復興が進み、コロナも落ち着いてきているので、また聖地巡礼に来て人吉を明るくしてほしい」と呼びかけている。

 作品の舞台となっていないが…

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