西晃奈
大相撲で最多の45回優勝し、今年10月に引退した横綱白鵬の手形やのぼりが、岩手県山田町の相撲少年たちにプレゼントされた。東日本大震災後に白鵬が同町を訪れて交流したという新聞記事をきっかけに、埼玉県の相撲ファンが寄付した。
町立山田小学校の玄関前に20日、黄色の下地に「白鵬関」と大きく書かれた2018年1月場所ののぼりが掲げられた。白鵬のほか、関脇の御嶽海や明生など11人の力士の手形も並べられ、児童らは「でけえ」と言いながら自分の手と比べていた。
震災3カ月後に慰問で同町に立ち寄った白鵬ら力士会は、津波で流された土俵の整備費として町に1千万円を寄付。翌年8月の落成式には白鵬も駆けつけ、土俵の完成を祝うなどの交流があった。
のぼりや手形を寄付したのは、埼玉県に住む会社役員の長倉芳昭さん(74)。大相撲の大ファンで、「子どもたちに頑張ってもらい、岩手からお相撲さんになってもらえたら」と話す。山田小学校相撲クラブあてに届き、監督の佐藤哲也さん(50)が小学校で保管することにした。
相撲クラブに1年前に入ってから相撲を見始めた内藤琉依さん(小4)は、白鵬の強くて礼儀正しいところに憧れて大ファンになった。この日は白鵬の手形に自分の手を重ね、「2倍くらい大きい」と興奮ぎみ。「白鵬みたいに、誰にでも勝てるようになりたい」と意気込んだ。(西晃奈)
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