アップル独自設計チップApple Silicon搭載Macが発表されるとみられる「One more thing」イベントまで、残すところあと数日。新しい体験にすぐ飛びつくか、それとも様子見するか、イベント後も悩ましい日々が続きそうです。
Apple Silicon Mac、現行MacBook Proを凌ぐ可能性?からiPhone 13(仮)のカメラ品質は大きく改善?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。
「新型iPhoneはどこまでアップル非公認業者が修理できるか」は毎年注目が集まるトピックスですが、今年のiPhone 12シリーズはカメラ修理に認定業者のみアクセスできる公式ツールが必須と判明した一件です。
ハイテク新製品はすぐ分解でおなじみiFixitは、iPhone 12分解のなかカメラモジュールを複数デバイス間で交換したさい、別のiPhoneに移し替えると動作に支障をきたすことを発見したと報告しています。
正常に動作するかに見えるのは、交換直後だけ。まもなく超広角カメラへの切り替えはできなくなり、特定のカメラモードのみ応答し、ときにハングアップして使いものにならなくなるという挙動が複数方面から報告されているしだいです。
さらにiFixitが入手したアップル認定業者向けトレーニング文書では、カメラばかりか画面交換まで独自クラウドにリンクされたシステム構成アプリを実行する必要がある旨も記載されています。iPhone 11シリーズおよびiPhone SE(第2世代)以前はバッテリーのみとされていたことから、縛りが強められているかっこうです。
もっともiPhone 12 Pro間でのカメラ交換に動作の問題はなく、画面についても「正規品ではないかもしれない」との警告が表示されるだけとのこと。iPhone 11シリーズでも同様の警告が発せられていたこともあり、アップルが独立系修理業者に公式トレーニングや認定を受けるよう促す意図も込められているのかもしれません。
11月11日午前3時(日本時間)の「One more thing」イベント直前に、にわかにApple Silicon搭載Macの噂が活発化してきました。
ひとつは同イベントでApple Silicon版13インチMacBook ProとAir、2つのノート型デバイスが登場するとの予想。Bloomberg報道によればこれら2つは台湾Foxconnが組み立てを担当し、当日の発表はほぼ確実視。しかし従来モデルのインテル製プロセッサを新チップに載せ替えるだけで、デザインの大きな変更はないとのことです。
その一方でApple Silicon版16インチMacBook Proも生産しているものの、こちらは11日に発表される可能性はそう高くはなさそうです。時を同じくして有名リーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)のL0vetodream氏も「13 inch X2」とツイートしていることもあり、とりあえず(アップル製品としては)小型のMacBookを待つ人は期待してよさそうです。
もう1つはApple Silicon版Mac Proのうわさ。これもソースはBloomberg報道ですが、現行モデルのデザインは踏襲するが約半分のサイズになった小型を準備中とのことです。
Mac Proといえば拡張性、とりわけディスクリート(外部からの追加)GPUが重視されるもの。今回の報道に先立ち初のデスクトップ向けApple Silicon「A14T」とともにアップル独自設計GPUを搭載したiMacの噂もありましたが、その一方ではサードパーティ製GPUの互換性が低下する可能性も浮上しており、そちらの追加情報も待ちたいところです。
最後にA14X(仮)Mac=上記の小型MacBook2つのどちらかと思しきベンチマークスコア(Geekbench 5)と称される数値も発見されました。すなわち「3.10GHzまでターボブースト可能な1.80GHzプロセッサ」が本当だとすればアップル独自設計(iPhoneなどAシリーズチップも広い意味ではApple Silicon)チップ初のクロック3GHz超え。CPUは8コア、GPUには8GBのVRAM搭載と表記されているとのことです。
そしてシングルコアスコア1634はA14とさほど変わらない一方で、マルチコアスコアは7220でiPad Pro(2020)のA12Zや16インチMacBook ProのCore-i9プロセッサを超えるもの。
こうした高パフォーマンスがArmベースチップの強みである省電力性能、つまり長持ちするバッテリーと両立するならば、初Apple Silicon Macは「モバイル性に優れたMacBook Pro」的なマシンとなるのかもしれません。
現行のiPad Pro(2020)はiPhone 12 Proに先がけて背面にLiDARスキャナ(3Dセンサー)を採用して超広角カメラを追加したものの、SoCのA12Zは物理的には2年前のA12Xと同じ。全般的にマイナーチェンジに留まっていましたが、いよいよメジャーアップデートした次期モデルが現実味を帯びてきたという噂話です。
韓国ETNewsのサプライチェーン情報によれば、新型iPadが2021年第1位四半期に発売予定とのこと。その画面はミニLEDディスプレイと伝えられ、新技術は通常ハイエンドモデルに先に投入されるため、次期iPad Proと推測されているしだいです。
ミニLEDとは従来の液晶+バックライトLED構造はそのままに、バックライトの分割をより細かくしたディスプレイのこと。これとローカルディミング(部分駆動)技術を組み合わせることで「画面が黒い部分だけバックライトを消灯」と可能とし、純度の高い黒や高コントラストといった有機ELの強みを実現しつつ、省電力や焼き付きに強い(有機物質を含まないため)ことも期待されています。
ミニLED搭載iPad ProやMacBook Proが準備中の噂は1年以上前からあり、アップル自らがミニLED(とその次に来るマイクロLED)工場に巨額の投資をしているとの観測もありました。同社の新製品開発から発売までおよそ2年かかる前例からすれば、そろそろミニLED搭載iPad Proが登場してもおかしくなさそうです。
iPhone 12 Proがアップルの見込んでいた出荷台数(iPhone 12シリーズの約20%)と実際の人気の高さとの落差から品薄になっている説もありますが、それを解消するためにiPadシリーズの電源管理チップやLiDARスキャナなどの部品をそちらに回しているとの日経報道です。
そうした「iPadからiPhone」という部品の再配分が約200万台分のiPadに影響を与え、今年の生産計画を台なしにしているとのこと。アップルは10月末の第4四半期業績発表でiPadが前年同期比で実に46%もの売上増と報告していましたが、今は主力製品の新型iPhoneを売るべき時期でもあり、痛しかゆしといったところでしょう。
第4世代iPadAirの配送日は記事執筆時点では11月24日~となっていますが、使う予定のある人は余裕のある内に発注しておく方がいいかもしれません。
iPhone 12 Proのカメラ機能が大人気を集めているなか、来年モデルiPhone 13(仮)のProモデル2機種のカメラが大きく改善されるとの噂話です。噂の出どころは、アップルのインサイダー情報で知られるアナリストMing-Chi Kuo氏の最新研究ノートです。
具体的には超広角カメラの強化であり、iPhone 12シリーズの「f / 2.4、5P(5枚レンズ)で固定フォーカス」から「オートフォーカス付きのf / 1.8、6P」にアップグレードされるとのこと。さらに翌2022年のiPhone 14(仮)シリーズでは「オートフォーカス付きf / 1.8、6P」に進化を遂げると述べられています。
ほかiPhone 13シリーズにつき、Kuo氏は来年は5Gインフラがより堅牢になっていること、発売時期が(今年の10月~11月から)元の9月に戻って大量生産や販売が改善されること、それに加えてカメラ品質も改善されるために出荷台数が前年モデルより増えるとの予想を語っています。
裏返せば5Gインフラ整備が十分ではなく、例年より遅めの発売で新型コロナ感染拡大も収まらない逆風のなか、売上絶好調が伝えられるiPhone 12シリーズは大健闘していると言えそうです。
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