1985年11月29日、ファミコン版『ポートピア連続殺人事件』(エニックス)が発売。明日で発売からちょうど35年の節目を迎えます。本作を手がけたのは『ドラゴンクエスト』シリーズなどでも知られるゲームクリエイターのレジェンド・堀井雄二氏。パソコン版『ポートピア』はシナリオからプログラム、グラフィックに至るまで、堀井氏がすべて一人で製作していたというのだから驚きです。 【画像】堀井雄二氏が手がけた衝撃のグラフィック 1983年にパソコンで発売された『ポートピア連続殺人事件』は、当時はまだ珍しかった実在する地名が登場する日本が舞台となったアドベンチャーゲーム。そのパソコン版『ポートピア』のメディアは、なんと“カセットテープ”。この頃のゲームはフロッピーディスクどころか、カセットテープで販売されていました。もしかすると、今では「カセットテープって何?」と思う方も多いのかもしれませんね……。 そんな堀井氏の人気パソコンゲーム『ポートピア連続殺人事件』は、ファミコンに移植されても大ヒット。このファミコンへの移植に際して、実はゲーム史に残るエポックメイキングなゲームシステムが採用されています。 それは堀井氏が『ポートピア連続殺人事件』に続いてシナリオを手がけたパソコン版『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』(この作品ものちにファミコンに移植)で初めて導入された「コマンド選択方式」という画期的なゲームシステムの採用です。
■堀井雄二氏の天才的なクリエイターセンス
アドベンチャーゲームなら「コマンドを選んで進行するのは当たり前じゃない?」と思う方もいるかもしれません。しかしパソコン版『オホーツクに消ゆ』以前のアドベンチャーゲームは、例えば「壁の絵が見たい(調べたい)」と思ったら、“ミル カベ”または“ミル エ”などと目的の行動を直接キーボードで打ちこむ必要がありました。 これだとゲームとして「正解」となる命令を正しく入力しないと動作しないので、ゲーム画面に怪しい部分を見つけても、正解の入力文言が分からなくてゲームが進まない……なんてこともよくあったのです。それが堀井氏にとっては不本意だったことを、のちのインタビューで明かしています。 そして堀井氏が『オホーツクに消ゆ』の開発元(ログインソフト)の担当編集とやりとりする中で導入が決まったという「コマンド選択方式」は、すべき行動と対象をあらかじめ提示されたコマンドの中から選ぶだけでOKなので、プレイ時のストレスは大幅に減少。当時「コマンドを総当たりすれば誰にでも解ける」と揶揄する声もありましたが、個人的には余計なストレスを抱えずにストーリーに集中できるメリットのほうがはるかに大きく感じました。 実際これ以降のアドベンチャーゲームは「コマンド選択方式」が主流になっていくので、『ポートピア連続殺人事件』をファミコンに移植する際に「コマンド選択方式」に変更した点は大正解だったと思います。 ちなみにこのコマンド選択方式は、のちに堀井氏が手がける国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズにも採用。日本のRPG史に大きな影響を及ぼすこととなります。その事実だけを見ても「コマンド選択方式」がいかに画期的なシステムだったかが分かりますよね。
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