小惑星探査機「はやぶさ2」が人工クレーターにタッチダウンした時のイメージ(JAXA提供)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星「リュウグウ」に同惑星の母天体が形成された初期の状態を保存した変質の少ない岩を発見した。小惑星探査機「はやぶさ2」が降下運用した時に撮影した画像を分析。水に浮くほど軽く密度が低い岩であることが分かった。はやぶさ2がタッチダウン(着陸)で回収した試料の中にも含まれている可能性がある。リュウグウの起源や、太陽系の惑星形成・進化論の発展につながると期待される。
立教大学との共同研究。成果は英科学誌ネイチャー・アストロノミーに25日、掲載された。
リュウグウ上の直径20メートル以下の二つのクレーターに注目。クレーターの中心に昼間に温度が周囲よりも高く、約10センチメートルの黒い岩の集合体が存在することが分かった。この場所は断熱性が強く、昼間に温まりやすく夜間に冷えやすい特徴を持つ。さらにリュウグウの岩は空隙率が30―40%と考えられているが、発見した岩は空隙率が70%と高く軽い物質であることを見いだした。
リュウグウはダストの集合体「微惑星」が熱や圧密で母天体を形成し、破壊と再集積により形成したと考えられている。母天体表層は内部よりも温度が低く圧縮されていないと想定される。今回発見した岩は母天体表層の状態を保存していると考えられ、リュウグウの母天体が形成した初期の情報を持つ物質である可能性が高い。
日刊工業新聞2021年5月25日
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