新型iPad Pro! 今日発売!
発売直前にじわじわ先行レビュー記事が上がっていましたが、米Gizmodoも直前レビューしてます。すでに注文済みで受け取るのみ!という人もいるかと思いますが、まぁレビュー見ていってよ。性能最強。いや、最強すぎるかもしれないそうですから。
12.9インチの新型iPad Pro、M1チップ搭載。素晴らしい端末です。パワフルでスピーディ、未来を約束されたマシンです。スクリーンは今考えられる最高クラスのヤバさ。むしろ現段階ではやりすぎと言ってもいいほど。
Apple(アップル)の最高級ラインPro Display XDRと同等のminiLEDディスプレイを、より小さく安価で体験できる上に、M1チップのパフォーマンスまで載ってる。2021年のiPad Proは完璧なハードウェアであり、現市場でこれ以上の端末はありません。
ただ問題は使い方。自分の仕事のしやすさ、自分のタスクにあったベストなマシンと考えると、最高ハードウェア=正解ではないのが、端末選びの難しいところなんです。
iPad Pro(2021)
これは何?:アップルのM1搭載初iPad with miniLEDディスプレイ。
価格:12インチは1,099ドル(12万9800円)から(レビュー端末は1,999ドルモデル)。
いいところ:驚くほど明るいディスプレイ(特にHDRコンテンツ鑑賞中)。M1チップによるパフォーマンス向上。
残念なところ:バッテリーもうちょい欲しかった。Center Stage(センターフレーム)のせいでカメラの位置が気になってきた。
明るい・大きい・美ディスプレイ
新型iPad Pro発表で、一番話題になったのはやはりM1チップ搭載でした。でも、実際触ってみて一番わかりやすくかつ最大のアップデートはディスプレイ。12.9インチモデルのminiLEDディスプレイです(11インチモデルは前モデルと同じLiquid Retinaディスプレイ)。アップルの呼び方だと「Liquid Retina XDR」ですね。解像度2732×2048(264 ppi)で、可変リフレッシュレートは最大120Hz。2,596のゾーンに1万個のminiLEDを載っけたLiquid Retina XDRは、アップルいわく「プロが2度見する美しさ」。1,000,000:1のコントラスト比で、明るい白もディープな黒もディティールを潰すことなく現実に近い画を映し出します。明るさも自慢です。フルスクリーン輝度は1000nit、特定時(HDRコンテンツ視聴など)には最大1600nit。
プロが2度見するってどれくらい?ってことで、去年の12.9インチiPad Proと新型12.9インチiPad Proを隣に並べて、同じ画像(HDR写真)を眺めることにしました。違う!明らかに違う! 大袈裟ではなく、しっかり違いがわかります。そもそも新型のスクリーンがめちゃくちゃ明るい。HDR写真の影部分もハイライト部分もディティールがよく見えます。これは写真家や動画編集者にとって、非常にありがたいスクリーンになるかと。この美スクリーンでクリエイターが力注いでも、多くの視聴者は現状その恩恵に与れないのが残念です。つまり、miniLEDスクリーンでその美しさを堪能できる人はまだ少ないということですが…。
とはいえ、普通の映画やテレビ番組も最高です。何を見てもとにかくきれい。miniLEDスクリーンで初めて気づいたのですが、コンテンツ周りの黒いエリア、あれがピュアブラックなのって本当素晴らしいですよ。真っ暗な部屋にひとり座って、アーティストRoman De GiuliさんのHDR作品を見る。ため息がでる美しさです。
このスクリーンのためだけに、去年買ったばかりのiPadからアップグレード乗り換えするかと言われると返事に困りますが、コンテンツのイマーシブ感は手持ちのMacBookより格段に上です。
M1チップでiPad爆速
さて、MacBookといえば、iPad Proに搭載されているM1チップは、最新MacBookのMacBook Air、MacBook Pro、Mac Mini、24インチiMacに搭載されているものと同じ。Macと違ってM1のオプション選択はなし。8コアCPU&8コアGPUに16コアNeural Engine。ストレージが128GB、256GB、512GB、1TB、2TBの5オプションありで、1TB・2TBはRAMが16GB、それ以外は8GB RAM。Macと同スペックなのですが、iPadでひとつダウングレードされているのがポート。Thunderbolt・USB 4ポートがひとつだけなんです。USB-C対応なので前よりマシではありますが、ここまでハイスペックのプロ仕様のマシンでポートがひとつなのはちょっと残念。
M1搭載でMacBook&iMacに授けられた馬力はiPad Proも同じ。Geekbench 5の性能テストでは、シングルコアでスコア1718、マルチコアだと7297。これはMacBook Air、MacBook Pro、iMacとほぼ同等のスコアです。A12Z BionicチップがのったiPad前モデルと比較すると、ベンチマーク結果は約2倍です。
数字ではなく体感でいうと、とにかく何もかもが速い。Apple Pencil使ってiPadでphotoshop作業すると、疾風のごとき編集スピードです。さすがのM1チップのおかげで、Macでできる作業は全部iPadでもできると言っていいかと。まぁ、パフォーマンス的にはね。
バッテリー持ちはフツーですね
miniLEDスクリーンとM1のコンビでバッテリー持ちも気になってました。テストの結果は9時間2分。これは前モデル(去年)のiPad Proと比べると1時間短くなっているんです。しかもこれ、よりバッテリーを喰うだろう5G使っていない結果ですから。
そう、5G。新型iPadは5G対応です。が、残念ながら今回のレビューでは5Gテストはできませんでした。Verizonの対応マップではうちも入っているのに、どうしても繋がらなかったのです…。5Gあるある問題が正にこれで、LAのような大都市でもつながる場所と繋がらない場所があり、接続が信用できないのがまだまだ現状。家から数ブロック先まで行けば、VerizonのUWB 5Gは入るんですが、道端に立ったままiPadレビューするわけにもいかないのでね。
5Gはもちろんでしょうが、LTEでも結構バッテリー食いました。なので、バッテリー的にはできる限りWiFi使いするのがお勧め。
カメラの位置が気になりだした
iPadのリアカメラはLiDAR対応。私は使う用途がなかったのですが、ARクリエイターなら便利かと思います。レビューで最も使ったカメラはフロントカメラ。発表会で12メガピクセルのウルトラワイドレンズ(122度)と聞いたときは驚きましたね。このカメラでCenter Stage(センターフレーム)という新機能を使うことができます。動画通話で、ユーザーの動きをカメラが追ってくれるという機能で、FaceTimeで使えます。APIが公開されているので、近々Zoomなど他のテレビ通話系アプリでも使えるようになるかと。
センターフレームは機能説明通り、ユーザーの顔がフレームの真ん中にくるよう調整してくれます。動きもスムーズ。ただ、iPad自体が動くわけではないので、フレームアウトしたらダメですよ。
カメラで気になるのはその位置。iPadを横に持った時に画面左にあるカメラ。あの定位置のままなのですが、それが気になる。アップルのiPad用キーボードMagic Keyboardはもちろん、多くの場合キーボードと一緒に使う時はiPad横向きに置きますよね。で、そのままテレビ通話することもあります。そうなるとこのカメラ位置は最悪。まず角度がダメ。次にノートPCのカメラは上部に付いているのが普通なことを思うと、カメラが左にあるのは変な感じで、直感的とはいえません。もちろんiPadを縦置きしてテレビ通話するという人なら問題ないのでしょうが、私含めそういう人は少ないかと。
新しいMagic Keyboard(4万1580円)は高いけれど、間違いなくiPadの使い勝手を底上げしてくれます。ただ、新iPadは前モデルよりも厚くなっているものの、古いMagic Keyboardでも使えるので、買い替える必要はないかなー。
iPad OSの未来
ハードウェアとしてのiPadはほぼ完璧で、(カメラにちょっと不満感じつつも)特に問題はなし! 世代を追うごとに進化しており、miniLEDディスプレイ&M1搭載のiPadは素晴らしいの一言。現状、右に出るタブレットはないです。
ただ、iPad Proのライバルはそもそも他のタブレット端末ではないんじゃないかと。真の競争相手はMacだと思うんです。iPadのスペックでは十分戦える相手なのですが、問題はソフト。ソフトウェアによってMacとは互角とはいえない状況に。iPadのソフトの話をする時によく例に出すのがAirtableというアプリ。これはプロジェクトマネージメントツールで、私は仕事で毎日使っています。AirtableのiPadアプリも、Macアプリと同じように使えるのですが、ちょっとランダムなタスクをしようとするとアプリはお手上げ、ウェブに飛ばされてしまいます。これ、Macアプリだと起きないんですよね。
ファイル整理でも物申したい。何年もiPad使ってますが、iPadでのファイル整理はいまだに慣れない。え、これどうんだっけ?ってしょっちゅう思ってますから。
プロのツールとして
ハードウェアとして新型iPad Proは素晴らしく、間違いなくプロのクリエイターにとって非常にパワフルなツールになる可能性があり、アップルの目指すところももちろんそこでしょう。プロの音楽プロデューサーも、iPad Proに内蔵された5つのスタジオレベルのマイクで録音し、編集し、そのままポットキャストもできるでしょう。M1チップがあれば、複数のトラック編集だって問題ないでしょう。で、聞いてみました。プロの音楽プロデューサーである夫に。「iPadだけで全作業できちゃう?」って。そしたら、笑われました。
夫いわく「iPadで仕事全部やってるオーディオプロデューサーなんて見たことないよ。セカンドディスプレイとしてなら、楽譜をさっとチェックするのに便利だけどね」。
iPadは、1年以上前からマウスとトラックパッド対応になりました。これで指でクリップなぞるよりも、動画・音楽編集者は格段に作業しやすくなったと思います。大きな壁がひとつなくなったと言っていいと思います。だから、やっぱりOSなんです。音楽プロデューサーのマストツールであるAdobe AuditionとAvid Pro Toolsには、iPadヴァージョンがありません。アップルのオーディオ編集ツールであるLogic Proですら、iPad版はフル機能をサポートしていません。これはプロ動画編集者・映画関係者でも同じこと。Final Cut ProにiPad版はないようです。もちろんプロの音楽・動画クリエイターのみなさんは、それならそれで作業するための何か別の方法があるのかもしれません。でも、やっぱり納得いかないんです。1,000ドル超え(オプション次第では2,000ドル)の端末が、なぜより安価なMacに機能で劣らないかんのだと。
Macがタッチスクリーンじゃないのが不満って話はいいんです。カーソルで使うMacと同じくらい、タッチで使うiPadOSの使い勝手が向上されてもいいんじゃないかって話をしたいんです。使い方は違っていいから、使い勝手は同等にならないのかって言いたいんです。iPadOSはmacOSと同レベルにはない。M1チップがiPadに搭載された今、それが不思議でなりません。
新型iPad Proは誰のためのマシンなのか? その答えは、今年のWWDCしだいで変わるかもしれません。iPad Proがパワフルなマシンだからこそ、iPadOSに何か大きな発表があることを期待しようと思います。
ハードは間違いなく最高。ただ、プロのクリエイターの皆さんは、買うかどうかはiPadOSの動き次第ですよと。
Source: Apple
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