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「迷ったらAir」と言える存在へ。M1搭載MacBook Airを選べば間違いなし(本田雅一) - Engadget日本版

Apple M1を搭載する3種類のMacを評価した上で、間違いなくベストの選択と自信を持って言えるのはMacBook Airでしょう。これは前回のコラムですでに言及しているので、改めて強調するまでもないのですが、MacBook AirとMacBook Proの違いは大きくありません。

……と、静かな書き出しにしましたが、デスクトップ型が欲しい方は別として、今回、Apple M1搭載MacBookが欲しい方は、まずAirから検討しておけば間違いありません。

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ProとAirの違いを整理する

  • 110グラムAirの方が軽量

  • Touch Bar搭載の有無

  • Proにはスタジオ品質のマイク(方式は同じだが音質が異なる)が搭載されている

  • バッテリ容量がProの方が大きい(58.2Wh、Airは49.9Wh)

  • ディスプレイの最大輝度がProの方が高い(Proが500nitsに対してAirは400nits)

  • Proのトラックパッドの方が大きい

  • 付属するUSB-C電源アダプタの出力(Proは61ワット、Airは30ワット。充電にかかる時間に違いはあるが相互利用可能)

軽いと言ってもiPhone 12 Pro Maxの半分程度、110グラムの重さですし、バッテリはAirでも呆れるほど長持ちします。輝度が不足と感じる場面もなく、トラックパッドも小さいとはいえ一般的なWindowsノートPCなどに比べれば広い。

マイクの品質は確かに違うのだけれど、内蔵マイクでの声の品質にどこまでこだわるか(指向特性はいずれも話者向けの指向性があるので変わりません)といえば、そこも決定的な違いはありません。

ACアダプタに関しても、持ち歩き用にはGaN素子を用いた超小型充電器を持っている人も多いのではないでしょうか。

以前のMacBook Airならば、ディスプレイがsRGBという部分に引っかかっていましたが、そこも輝度以外は変わらなくなってしまったので、Touch Barに+3万円の価値を見出すかどうか? となってきます。

M1搭載で万能。”迷ったらAir”と言える定番モデルに

現在の筐体デザインになってからのMacBook Airは、Intelでいうところの「Yシリーズ」プロセッサに最適化されていましたが、消費電力をギリギリまで抑えているため、パフォーマンスは良好ではありませんでした。

今年初めに出たIce lake搭載モデルは大幅にパフォーマンスが改善したものの、消費電力が増加したこともあって発熱がやや多く、高い負荷が少し続くとすぐにパフォーマンスが落ちてしまうことが問題でした。クアッドコアのパフォーマンスを活かしきれないため、より安価なデュアルコアの低廉モデルを個人的には薦めていたほど。クアッドコアモデルを購入するならば、MacBook Proも下位モデル(2 Thunderboltモデル)を選ぶ方が快適で費用対効果も高かったのです。

本来ならば、MacBook Airは”迷ったらAir”と言えるほど、ど定番の製品である必要があるモデルです。価格の関係で学生などの購入も多いですからね。色々とエクスキューズをつけた上で「こんな人は選んでもいいよ」というのは、説明としてはやりにくかったわけです。

ところが、M1搭載モデルの登場でこの関係性が大きく変化しました。M1を搭載する2つのMacBookは、どちらもほぼ同じパフォーマンスを出せます。もちろん、比較テストに記したとおり10分以上、継続してCPUやGPUを使い切るような処理ではAirの方が筐体温度は高くなり、パフォーマンスも15%程度(あるいは外気温によってはもう少し)落ちるかもしれません。

しかし、多少落ちたところで、モバイルコンピュータとして”爆速”なのに変わりはなく、MacBook Airの価値を大きくき損するとは思えません。むしろ、Yプロセッサでさえ(冷却ファンも使っているのに)健やかに動かせていなかった前モデルの方特殊な位置付けだったのかもしれないですね。

後付けの感想で恐縮ですが、AppleはM1搭載のMacBook Airが投入されることを前提に設計を行っていたのかもしれません。それぐらいにM1の電力とパフォーマンスのバランスはピッタリとハマっています。M1搭載Macが気になる人の大多数は、MacBook Airを選んでおけば間違いなし。やっと”迷ったらAir”と言える定番になりました。そういう意味では、iPad Airの大幅アップデート(迷ったらAir)とも重なりますね。

ProにはProの役割も

では、MacBook Proには意味はないの? ということになりますが、Final Cut ProやLogic Proなどのプロアプリケーションに加え、iWorkなどの文書作成系、それにMicrosoftのOfficeなど、それなりにTouch Barを使うアプリケーションは出てきています。M1のデモでよく使われているdjay Proなんかも使っていますね。

内蔵マイクの品質も、確かに聞きやすい音で捉えてくれるため、オンライン会議などでは役立つかもしれません。とはいえ、オンライン会議などでは音の回り込みや生活音の混入を防ぐため、ヘッドセットやイヤホンマイクを使う方が多いでしょう。

実際に試してみると確かに内蔵マイクの品質は高く、試しに録音したデータを掲載しますが、RODEのNT-USB(外部コンデンサーマイク)ほどではないですが、かなりクリアな声が拾えています。

ということで、MacBook Proにはもちろん存在意義があるのですが、元から”Pro向け”なのですから、もっとProらしい用途の更なるパワフルな選択肢、具体的には現在、残されている4 Thunderboltモデルの置き換え時に、Apple Silicon版を選びたいなと思うわけです。

問題は、それがいつなんだ! ということですが、個人的には最低半年は開くのではと思います。可能性があるとすれば、来年のWWDCのタイミングで「開発者向けにピッタリのApple Siliconが出たぞ!」と、新製品とともに開発者を喜ばせるというシナリオがあるかもしれませんが、そこで出てこなければ1年後に予想されるApple M2のタイミングでしょうか。

数年に一度ぐらいの大きなジャンプアップ。Intelからの切り替え時には慎重に用途にフィットするものを選びたいですから、Proを選ぶならば、よりProらしく拡張性の高いモデルが登場した時だと思います。

MacBook Airを敬遠する理由はもうない

さて、Airに話を戻します。やや繰り返しになりますが、MacBook Airを敬遠する理由はもうなくなりました。やや高い周波数のファンノイズを聞き続ける必要もないですし、かといってパフォーマンスを諦める必要もありません。

ちょっとした処理をしただけで、ずっとCPUが高負荷になり、熱い筐体を我慢しなければならないなんてこともなくなりました。ファンレスでもずっと涼しく使えます。高パフォーマンスであるということは、同じ作業をしていても負荷が軽いということですから、熱を溜め込みにくいのです。

互換性が心配という声もあるでしょうけれど、今のところ手元では非互換のソフトウェアはほとんどありません。唯一問題が出たのは、試しに入れたFortnite。良好なパフォーマンスでIntel命令からの変換にもかかわらず、フレームレートもきっちり出ていましたが、プレイ後にロビーに戻れない問題が出ていました。しかし、それ以外には今のところ使えていないアプリケーションはありません。Microsoft、Adobeあたりの有名どころはもちろんです。

なお、噂レベルではありますが、そうした有名どころは実機でのテストがひと通り進んだのち、来月ぐらいにはApple Siliconネイティブ版が出てくると言われています。あちこちで「AdobeのPremiere Proではどう?」などと尋ねられるのですが、気にしているうちにネイティブ版が出てくると思いますよ。これはOfficeも同じでしょう。

ということで、MacBook系を検討していた方は、価格も安いMacBook Airを選べば間違いありません。13インチのMacBook Pro(2018 Late)を使ってきた筆者としては、キーボードの違いもありますから、とりわけ魅力的な選択肢に映っています。


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