仁王2は,織田信長が覇道をひた走る16世紀を舞台としたゲームで,公式のジャンル名は「ダーク戦国アクションRPG」だ。
妖怪の血を引く主人公は,ひょんな事から野心溢れる霊石売り・藤吉郎と出会う。主人公と藤吉郎は信長のもとで頭角を現し,2人で1人の「秀吉」として乱世に名を馳せるが,出世とともに彼らの心はすれ違っていく。
侍の技と妖怪の力を使う主人公が,妖怪や戦国武将を相手取るバトル,刀や鎖鎌などさまざまな武器と武技(スキル)を組み合わせた多様性あるビルド,敵を倒して特殊効果の付いた武器を探すトレハン要素など,見どころが多い作品だ。
そして仁王2は,「繰り返し倒されつつも,何度も挑戦して勝利を掴む高難度ゲーム」,いわゆる“死にゲー”に分類される。その難度から,これまで死にゲー自体に触れてこなかったという人も多いと思うが,それはもったいない。筆者は,仁王2を死にゲー入門タイトルだと考えており,敬遠していた人にもぜひ遊んでもらいたいのだ。
本稿では,仁王2の死にゲーとしての遊びやすさを改めて紹介しつつ,オマケにゲーム下手(普段あまりゲームをしない人物だ)ながらクリアした人の声も合わせてお届けしたい。
死にゲーってなんだ?
さて,そもそも死にゲーとはいったいどういうものだろうか。いつの間にか,ゲーマーの間で定着している呼び方だが,明確な定義はなく,おおむね「とても難しく,敵にやられてプレイヤーが死にまくる。しかし,その難しさは理不尽なものではなく,繰り返し死ぬことでプレイヤーが学習できるように作られており,最終的に大きな達成感とともにクリアできる」ゲームを指す。
単に難しいだけのゲームならいくらでも存在するが,そうしたゲームと死にゲーは区別される。ポイントは,「学習することでうまくなっていく楽しさ」という,ビデオゲームの本質的な魅力を備えていることであり,この実現のためには,明確なコンセプトに基づいた,しっかりしたバランス調整が必要だ。このポイントから生み出される達成感こそ,死にゲーがゲーマーから支持を集めている大きな理由だろう。
そんな死にゲーの魅力を周知したのは,2009年に発売された「Demon's Souls」,そして2011年の「DARK SOULS」という,フロム・ソフトウェアが開発したタイトル群だ。後に,これらに大きな影響を受けたさまざまな死にゲーが発売され,そうしたタイトルを指して「ソウルライク」という呼び名も生まれた。作品の数が増えてきたのに加え,隆盛してきた動画実況において,視聴者のプレイ経験の有無に関わらず共感を得やすいことなどから,死にゲーはサブジャンルの1つとして定着した感がある。
殺意満々の敵。そして,ゲームを通した作り手との対話
さまざまな死にゲーが登場している現在において,なぜ仁王2を入門にすすめるのか。それは,「難しいながらも,さまざまなアプローチで攻略の道筋が立てられる」からだ。
まず仁王2の敵は,死にゲーの例に漏れず,練り込まれた配置をされている。フラフラ歩いていると,あっさり落命させられる罠でいっぱいだ。樹や建物の影に妖怪が潜んでおり,うかつに踏み込むとバッサリやられてしまう。無造作に置かれた宝箱に喜んで近寄ると,待ち伏せていたほかの敵が襲いかかってくる。狭い階段の上から,妖怪が巨大な岩を転がしてきて逃げ場がない。高所の敵から狙撃されて慌てていると,足元に開いた穴に落ちてしまう……。一瞬たりとも気が抜けない緊張感がプレイヤーを襲う。
水田を不用意に進むと,雑兵どもが待ち伏せていて袋叩きにされてしまった |
狭い橋の上で妖怪が襲ってくる。足場が悪く,不利な戦いだ |
しかし,ゲームに慣れてくると,マップを見ただけで「あっ,そろそろ殺しにくるな」と察知できるようになるのが面白い。遮蔽物があればカメラを回して後ろをのぞき込み,取ってくださいといわんばかりの宝箱があればまずは周囲をチェックし,狭い地形では奇襲を警戒し,退路を再確認する。このように用心深い行動を取れば,待ち伏せている敵を発見でき,事前に対処できる。特に,初見のマップで罠を見破れた時などの嬉しさは格別だ。
こうした「学習による達成感」をしっかり得られるため,先へ進んでいこうという気になれる。
階段の上では妖怪が巨大な岩でこちらを押し潰そうと待ち構えているが,狙撃すれば大丈夫。罠にはちゃんと対処法がある |
足元にあるのは,踏むと矢が飛んでくる仕掛けのスイッチ。死体が乗っていて,注意深く見れば事前に分かるようになっている |
プレイしていくうちに,「作り手はなぜこういった敵の配置をしたのか」「自分が作り手なら,どうやってプレイヤーを殺そうとするだろうか」というように,作り手の意図について考えられるのも楽しい。ゲームを通して,作り手と対話や知恵比べをしているような気分だ。
ゲームに慣れることで大きく立ち回りが変わるという点で,死にゲーにおいて初めてのプレイはとても貴重である。これから遊ぶ人は,ぜひ初プレイを動画に撮影しておき,慣れた頃に見返してみてほしい。
落命しても納得できる強い主人公
仁王2は死にゲーの中でも主人公が強く,取れる選択肢が多いのも特徴だ。
例えば,死にゲーには珍しく周囲の様子を示すレーダーがあり,「敵感知」のオプションがついた装備などを使うと,敵の位置が表示される。ゲームに慣れていないときに活用すれば,前述した罠も事前に見破れてしまう。
主人公が多彩な技を持っており,これを活用することで死ににくくなるのもポイントだ。いわゆるソウルライクの死にゲーでは,攻撃や防御,回避に「気力」や「スタミナ」といったリソースを消費し,使い切ると動けなくなるなど大きな制約が課せられる。いかにリソースを切らさないようにするか気を配るかが重要となるのだ。
「仁王」シリーズもこうしたシステムを踏襲しており,さまざまな行動で「気力」を消費するが,仁王2では新たに「妖力」というリソースが登場している。攻撃で減る気力とは対照的に,妖力は攻撃すると蓄積されていく。そして,妖怪の技を振るう「妖怪技」や,敵の大技にカウンターする「特技」に使えるのだ。敵の猛攻を防いで気力も尽き,息も絶え絶えという状態から妖怪技や特技で逆転することも可能である。
また,さまざまな行動を,妖怪技や特技でキャンセルできる性質を利用すれば,気力切れを妖怪技や特技でフォローしての華麗な戦いもできる。オマケに,敵と戦って溜める「アムリタ」ゲージが満タンになれば,妖怪に変身してしばらく無敵となる「妖怪化」も使える。要するに,気力が尽きる=死ではなく,妖力を使った妖怪技や特技,アムリタによる妖怪化であがきにあがけるということだ。気力も尽き,妖力も出し切り,切り札の妖怪化まで使って負けるなら,これはもう仕方がない……と,死んでも納得がいくだろう。
やりがいのあるバトル,そして行き詰まりを防ぐ措置
死にゲーである以上,仁王2のバトルはなかなかにシビアだ。特にボスは広範囲や高火力の攻撃を繰り出してくるため,あっさりとやられてしまうことも珍しくない。そこから繰り返し死んで攻略法を学び,やがて勝利を掴み取ったときの達成感こそ,死にゲーの醍醐味である。
とはいえ,その難度の前に,どうしても行き詰まることもあるだろう。本作は,そんなときの対処法として,主人公の育成要素が多数用意されているのも,初心者にオススメできる部分だ。
仁王2において,装備品の更新やレベルアップの恩恵は大きい。装備品は敵や宝箱から手に入り,さまざまなオプションがランダムで付与されている。例えば,手数の多い仕込み棍に属性攻撃のオプションが付けば,敵を状態異常にしやすくなるといった具合で,装備品の性質とオプションの特性がうまくかみ合えば戦力も大きく上がるのだ。
何気なく拾った装備品に便利なオプションが付いていて手放せなくなることがあったり,理想のオプションを求めて敵を倒しまくったりといったトレハンがとても楽しい。
また,装備品それ自身にもレベルが設定されており,同じ装備品でもゲームを進めてから入手した品の方が高性能だったりする。要するに,ボスを後回しにして,とにかく戦えば良い装備品が手に入り,手っ取り早く強くなれるわけだ。
レベルアップすると,体力や気力といった生死に直結する能力が上がって死ににくくなる。加えて,能力値を上げればさまざまな防具を装備できるようになり,戦法の幅も広がっていく。
さらに,武器を使い込んでいくことで習得できる武技も,さまざまな効果を持っており,パワーアップに役立つ。最初は無残に負けていた相手であっても,装備品の力やレベルアップで圧倒できるということも起こりうるほどで,アクションの操作のうまさだけでクリアしなければならないゲームではないのだ。
それでも勝てない場合は,マルチプレイに頼ってしまうのもいいだろう。仁王2のマルチプレイは2種類が存在する。
ミッションの途中にある「社」でほかのプレイヤー(まれびと)を呼び出すのが「まれびと招喚」だ。一期一会的な形式で,自分かまれびとが落命するとそのままお別れとなってしまう。まずはミッションを1人で始め,どうしても進めない時に助っ人を呼び出すという感じで使うのがおすすめだ。
一方,協力要素が強いマルチプレイが「常世同行」となる。こちらはほかのオンラインゲーム同様,ロビーである「ルーム」にプレイヤーたちが集まり,ミッションを最初から攻略していく。「まれびと招喚」とは違い,落命した仲間を助けられる。ただし,落命のたびに「救援ゲージ」が減少していき,0になった時点で誰かが落命するとミッションは失敗となるので,救援ゲージを減らさないように戦いたい。
レベルが同程度の仲間たちと四苦八苦しながら戦っていくのはなかなかに乙なもの。負けてしまっても,経験値や装備は手に入るし,ほかの人の戦い方から学ぶことも多いだろう。マッチングの運によっては,自分よりもはるかに強い猛者たちがやってきて,妖怪だろうが落武者だろうが,サクサクと処理してくれたりもする。行き詰まったままゲームを放り出したくない,という人はひとまずマルチプレイでクリアだけしておき,パワーアップしてから再チャレンジするのもいいだろう。
加えて,疑似マルチプレイともいえる「すけびと」の機能が存在する。フィールドに立っている青い「義刃塚」からは,ほかのプレイヤーの分身ともいえるすけびとを一定時間呼び出せるのだ。すけびとは自動で行動するNPCだが,ほかのプレイヤーが仲間を助けるために登録したデータが呼び出されるため,中には強力な装備を持つ者もいる。さすがに,人間が操作するまれびと招喚や常世同行の仲間ほどは強くないが,深夜や早朝など時間を問わずに呼び出せるのが魅力だ。
ボスの前には無数の義刃塚が立っていることがあり,同志の存在に心が温まる。自分でも義刃塚を立てられ,誰かが利用してくれると報酬が手に入る。目に付きやすいように立てるなど,場所を工夫してみよう。すけびとの中には,システム側が用意した者も存在し,戦国武将から本作のゼネラルプロデューサーであるシブサワ・コウ氏までいるので探してみよう。
「すけびと」は疑似マルチプレイで,時間帯に関係なく呼び出せる。初心者にはありがたい機能だ |
システム側で予め用意されたすけびとも存在。右にいる武者は「シブサワ・コウ」。いうまでもなく「仁王」シリーズのゼネラルプロデューサーその人だ |
青く輝くのは,他のプレイヤーが助っ人NPC「すけびと」を登録した「義刃塚」。このように,難所には無数の義刃塚が立ち並ぶ |
良い場所に義刃塚を立てると,たくさんの人が利用してくれて報酬が手に入る。こうした緩いつながりも印象深い。写真は発売翌日のもので,この頃はボスの前に無造作に義刃塚を立てるだけで千客万来だった |
12+2種の武器,忍術に陰陽術,妖怪技
てんこ盛りの欲張り主人公
仁王2の主人公は侍の技と妖怪の力だけでなく,豊富な武器や忍術,陰陽術まで使える。
選択できる武器は「刀」「槍」「斧」「二刀」「鎖鎌」「大太刀」「旋棍」「手斧」「薙刀鎌」に「銃」「弓」「大筒」,そしてDLCで追加された「仕込み棍」「手甲」の12+2種類が存在。スタンダードと思いきや,居合い切りを意識すると途端に奥深くなる刀,分銅で中距離攻撃できるが隙が大きい鎖鎌,自在な投擲攻撃が面白い手斧,鎌・薙刀・大鍘刀に変形する様が厨二心をくすぐる薙刀鎌,とにかくヒット数が多い仕込み棍,スピーディーな攻撃に加えて異なる武技へ連携することで火力が上がるマニアックな手甲……というように,いずれも個性的だ。
DLCが最初から含まれる「Complete Edition」から始める人にとっては,いきなり大量の武器と武技を提示されて面食らうかもしれないが,それぞれの武器に面白さがあるので,ぜひ好みの武器でじっくり取り組んでほしい。
忍術や陰陽術は,武器とはまた別に使えるスキルだ。忍術なら,毒や麻痺の薬を武器に塗りつけるダーティな技から,煙玉や火薬玉といった派手な大技までが使用可能。そして陰陽術なら,武器にさまざまな属性を纏わせたり,回復や防御の効果をもたらしたりといった効果が得られる。
こうした多彩な武器や術を組み合わせ,さまざまなビルドを考えられるのは本作の面白いところだ。クナイや火薬玉を投げまくって戦うビルドや,陰陽術を強化してマルチプレイで仲間にバフをかけまくるビルド,銃や弓をメインに戦うビルドなんてものも構築できる。トレハンに励んで「特定武技の威力をアップする」オプションがついた装備品を集め,1つの技に特化するなんてことも可能だ。
長々と述べてきたが,仁王2が死にゲー入門に向いている理由をまとめると,以下のとおりとなる。
- 練り込まれた敵の配置は,緊張感を味わえるが理不尽ではない
- 敗北から学んで強くなる達成感
- 主人公が強く,それでいて死んでも納得しやすい作り
- レベルアップやトレハン,マルチプレイで行き詰まりにくい
- さまざまなビルドを構築する多様性がある
「仁王 Collection」を購入する場合は,前作「仁王」もパッケージに含まれているが,後に発売された仁王2のほうが遊びやすさは上だ。物語が続いているというわけでもないので,死にゲー入門としては,仁王2を先に遊んでみることをオススメしたい。
家にいる時間が長くなりがちな昨今,これまで死にゲーに触れてこなかった人も,「Complete Edition」発売の機会に挑戦してみてはいかがだろうか。
50代のゲーム下手が仁王2をクリアした話
ここからは,担当編集である御月亜希が筆を代わり,50代のゲーム下手が仁王2をクリアした話をお届けしていきたい。クリアしたのは筆者ではなく,筆者の父親だ。死にゲー初心者どころか,そもそもゲーム自体あまり遊ばないタイプの人である。
筆者の父は,ファミコン〜初代PlayStation時代に少しゲームをやっていたが,その後はさっぱり触らなくなってしまった。PlayStation 3で「北斗無双」が発売されたとき,やってみたいと挑戦してみたものの,[〇/×/□/△]といったボタンが覚えられないせいでQTEがクリアできず,断念したという大変残念な腕前の持ち主だ。
そんな父が,コロナ禍で家からあまり出られなくなり,久しぶりにゲームで遊ぶようになったのは2020年のこと。長年ロクにゲームに触れてこなかったにも関わらず,なぜか仁王2に手を出したという。それを夏ごろに聞いた筆者は「いくらなんでも無謀すぎる」と思ったものだが,年末にクリアしたと言うではないか。
本稿の趣旨から,これほど「仁王2は初心者でもクリアできる」という説得力のある人物はいないと考え,我が父に話を聞いてみたので,オマケに掲載しておこう。親子の会話であるため,雑な口調でのやり取りなのはご容赦いただきたい。
御月亜希:
親父が仁王2をクリアできたっていうのが,まったく信じられないんだけど。そもそも,なんで遊ぼうと思ったの?
親父:
深い理由はないよ。なんとなく面白そうだったから。
御月亜希:
なんとなくなんだ。まあ,死にゲーが初めての人でも,手に取りやすいタイトルではあると思うけど。
親父:
いや,めちゃめちゃ大変だったわ。一応,1周目はクリアしたけどさ。
御月亜希:
やっぱり,クリアまでにいっぱい死んだ?
親父:
死んだどころの話じゃないよ。何回ぐらいだろ。
御月亜希:
仁王2は落命回数が記録されるから,データ残ってるはずだよ。
親父:
そうなの? 普段見ないから,どこに載っているのか分からん。
あ,あった,2793回。もっと死んでると思ってたけど,意外と少ないね。
御月亜希:
マジかよ,そういう反応なの!? 3000回近いじゃん。ここまで死んで,途中で心が折れなかったのがすごいよ!
御月亜希:
いやあ,盛大に死んでるね。クリアまでにどのぐらいかかってるの?
親父:
プレイを始めたのが3月頃で,クリアしたのは12月だね。でも,毎日遊んでるわけじゃないからなぁ。何回やっても倒せないボスが出てくると,1か月とかやらなくなるし。
御月亜希:
え,プレイやめちゃうの? ボスの動きとか忘れない?
親父:
時間を空けると,なぜか勝てたりするんだよ。
今も,DLCのボスが倒せなくて止まってる。
御月亜希:
まだプレイ続行中なんだ。DLCまで遊んでるとか,ずいぶんハマってるね。
親父:
DLCを買ったからには,クリアするまで遊ばないと。こいつ(海入道)が何回やっても倒せなくてさぁ。
親父:
(海入道に挑むも攻撃を受けてあっさり落命して)避けらんねえだろ,こんなもん!
御月亜希:
そのリアクション,死にゲーあるあるすぎる(笑)。
でも,もともと[〇/×/□/△]のボタンすら分かってなかったのに,ここまで進んできたわけでしょ。よく1周目クリアできたね。
親父:
今もあんまり分かってないよ。
御月亜希:
え? じゃあどうやってプレイしてるのさ。
親父:
そんなに操作が複雑じゃないから,なんとかなるんだよ。基本的には,移動して強弱の攻撃するだけでいいしさ。
御月亜希:
待って。強弱の攻撃以外の手段がいろいろとあるのが仁王2の特徴だと思うんだけど,使わないの?
親父:
ほとんど使わない。ボス戦でそんな難しいことやってたら死ぬよ。ヒット&アウェイ以外のことは考えられない。
御月亜希:
ウソでしょ……それ,完全に正攻法でボスに挑んでるってことだよね。しかもその理由が「操作が分からない」って,もう異次元の感想すぎる。
親父:
妖怪技は少しは使うけど,武技とかは操作が覚えられないからね。それでもクリアできたんたから,難しさの加減がうまいってことなんじゃないかな。
御月亜希:
じゃあ,親父にとっては,タイミングで特定のボタンを押すやつ(QTE)より,仁王2のほうが遊びやすいってこと?
親父:
うん。あれ(QTE)は無理。
御月亜希:
ええー……。
仁王2は武器の種類が多いけど,何を使ってた?
親父:
「手斧」と「薙刀鎌」だね。
御月亜希:
射程が長いのばかりで,絶対に敵に近づきたくないっていう気持ちが伝わる。
親父:
手斧は敵を見つけたらとりあえず投げればダメージを与えられて,使い勝手がいいよね。
御月亜希:
攻略に詰まったときは,どうやって進めるの?
親父:
とりあえずネットで調べる。最初は自力でやってたけど,相手の行動パターンを覚えるために30回死ぬみたいなのは大変だったから,諦めた。
あとは装備集めたり,レベル上げたりかなぁ。それでもダメなら,すけびとを呼ぶ。
御月亜希:
ああ,オンライン機能は使うんだね。まれびとは?
親父:
手軽だからすけびとだけかな。詰まっても助けてもらえるのはいいよね。
御月亜希:
DLCが終わったら,また死にゲーを遊ぶつもりはあるの?
親父:
面白そうなのがあればね。
御月亜希:
3000回近く死んでて,それを言えるのはすごいよ。「DARK SOULS」は?
親父:
剣と魔法のファンタジーみたいなやつは苦手なんだよね。仁王2は歴史ものなのが気に入ってるし。
御月亜希:
じゃあ「SEKIRO」だな。
親父:
めちゃくちゃ死ぬやつって聞いたぞ,それ!
というわけで,仁王2はゲームをほとんど遊ばないようなプレイヤーであっても,クリアまで進められるタイトルである。3000回死ぬ覚悟があれば,ボタン配置が分からないというレベルでも,どうにかなるはずだ。父の死にっぷりは極端な例だとは思うが,死にゲーだからと恐れずに,ぜひ挑戦してみてほしい。
それにしても,とうに実家を出ている筆者が父と一緒にゲームで遊ぶなど,子供の頃以来,20数年ぶりのことだ。まさか,こんな殺伐としたジャンルのゲームで,親子のコミュニケーションが生まれるとは。大変懐かしく,温かい気持ちになり,筆者にとって良い思い出となった。仁王2,そしてコーエーテクモゲームスさん,ありがとうございます。
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