米航空宇宙局(NASA)は22日(日本時間23日早朝)に会見し、火星探査車「パーシビアランス」が18日に成功させた着陸の一部始終を記録した動画を公開した。「恐怖の7分間」とも呼ばれる複雑で難易度の高い着陸プロセスが収められている動画で、関係者は「何年もの間、われわれが夢見てきたものだ」と興奮気味に紹介した。
パーシビアランスは、火星の大気圏に高速で突入した後、パラシュートを展開して降下。その後「スカイクレーン」と呼ばれる装置で逆噴射しながら減速し、ワイヤで探査車本体をつり下げ、地表まで降ろして着陸した。
探査車本体がそれぞれ上方と下方を向いた2つのカメラを備えるほか、上部カバーからパラシュートを見上げる位置や、スカイクレーンから本体を見下ろす位置にもカメラが取り付けられている。勢いよく飛び出すパラシュートやワイヤが伸びてつり下げられる探査車本体、役目を終えて分離するスカイクレーンなど、着陸の段階を踏むシーンが記録されていた。探査対象のクレーターの隆起した地形や、逆噴射で土煙が上がる様子など火星の地表も鮮明に映っていた。
NASAのスティーブ・ユルチク長官代理は「まだ始まったばかりだが、パーシビアランスは、すでに宇宙探査の歴史の中で最も象徴的な映像をいくつも提供している」とコメントした。
会見では、探査車のマイクが録音した火星の「音」も公開された。火星のそよ風や、探査車の機器が作動する音が記録されていた。
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