2020年12月にリリースされた「サイバーパンク2077」(PC / PS4 / Xbox One)は,ご存じのように,販売直後に最適化やゲームプレイにおいてさまざまな問題が発生した。さらに,それを知った上層部が発売延期を避けるため,開発者達に超過労働を強要したと一部の従業員が告発し,批判を浴びた。同社の現在の株価が2020年9月に比べて半分以下になるなど,厳しい状況が続いており,今回の説明会では同社が取り組んでいるさまざまな改善を報告して,将来の成長に向けた企業努力をアピールしているようだ。
説明会では,CD PROJEKT REDの設立者の1人で社長を務めるアダム・キチンスキ(Adam Kiciński)氏が同社の目標として,「世界中のゲーマーの心に訴える,革命的なストーリーを持ったRPGを中心に,トップデベロッパと認識されること」と述べている。また,1100人を超えるという従業員の労働環境をさらに良いものにしていくために,CTO(チーフテクノロジーオフィサー)に大きな権限を与え,迅速で負担のない開発を行うための「アジャイル開発」の手法を進めていくと,何度も繰り返している。「機敏」や「小回り」を意味するアジャイル開発とは,厳密な仕様決定を行わず,プロジェクトの工程を数週間単位のマイルストーンで区切り,そのつど休止期間を設けたり,見直しを行ったりしていくという仕組みだ。ゲーム業界を含む欧米のIT産業で,広く浸透している。
キチンスキ氏はこれに関連して,予定されている「サイバーパンク2077」のオンラインモードについても述べ,「より体系的でアジャイルな開発を行っていくために,以前からアナウンスしている“トリプルAのオンラインサイバーパンク”を修正する必要が出てきた」と説明。具体的な言及はなかったものの,本編に付属する形のマルチプレイではなく,「GTAオンライン」のような独立したモードに変更し,そのために開発されたリソースをほかのIPでも利用できるように作業を進めているという。
そして,同社の運営するオンライン配信サービス「GoG Galaxy」が,新たなオンライン戦略の中心的な役割を担うとしたうえで,「我々が,奥深い物語を描くシングルプレイのRPGを開発するメーカーであることに変わりはありません。変化するのは,我々のオンラインモードに対する長期的なアプローチです」としている。
CD PROJEKT REDは当初,「サイバーパンク2077」のマルチプレイモードを2022年頃に実装するというロードマップを公開していた。現時点では,シングルプレイキャンペーンの調整を最重要視しているようで,500以上の修正が行われた「パッチ 1.2」の配信がついに始まるなど,継続的な取り組みを続けている。
CD PROJEKT REDは日本時間の2021年3月31日,カナダのデベロッパDigital Scapesを買収し,新たにCD PROJEKT RED Vancouverとして発足させたことを発表した。Digital Scapesは,BioWareやRelic Entertainmentなどでゲーム制作に携わってきた開発者達が設立したスタジオで,2018年以降,「サイバーパンク2077」の開発に協力してきたという。どうやら,オンライン機能の制作を中心に行っていたようで,今回の説明会の発表と関連があるのは間違いないだろう。
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