DJI史上、もっとも楽しいドローンに仕上がってますねコレは。
最高速度は時速140km。静止状態から時速100kmまで加速するのにたったの2秒。がっしりとした中型ボディなのに、GT-Rやテスラ・モデルSよりも超加速なドローン「DJI FPV」の飛行会にお邪魔しました。とはいっても自分では操作できず、ドローンレーサーである中川絵梨(えりんぬ)さんの操縦を、映像をシェアしたゴーグルで見るというものでした。
4本のアンテナが飛び出た、物々しいルックスのDJI FPV Goggles V2。DJI FPVのカメラの映像を、ダイレクトに受信できるヘッドマウントディスプレイです。ライブビューのレイテンシは810p/120fpsの低遅延モードで28ミリ秒以下。カメラそのものは4K/60fpsに対応していますが、電波に載せて飛ばす映像はややクオリティを下げることで、低遅延な性能を出しているのですね。
面白いのが、複数台のDJI FPV Goggles V2でライブビューができることでしょうか。ただし操縦者以外のヘッドマウントディスプレイには、世界まるごとバグっているような低ビットレートの映像しか映し出せないところが気になります。「俺のドローンの視界をシェアするぜ! どうだスゲーだろ!」とドヤると「(このグリッチ)すげえな!」という印象しか持たれないので、注意が必要です。
DJI FPV本体に記録できる映像はキレイなので、そこはご安心を!
コントローラは両手で持つDJI FPV 送信機 2と、モーションコントローラーの2つがあります。直感的に操作できそうなのは、手首のひねりで機体コントロールができるモーションコントローラーですが、中川さんいわくDJI FPV 送信機 2のほうが扱いやすいみたい。両手持ちプロポのレーシングドローンに慣れ親しんだドローンレーサーの言葉であることを差し引いても、考慮すべき要点かと思われます。
では、肝心のDJI FPVの実機をごらんください。
着地時は、なんだかアタマでっかちな印象を受けますが。
飛ばすと、前傾した高速飛翔時に空気抵抗が低くなるようなデザインなのだとわかります。
カメラは1軸ジンバルでマウントされ、DJI OSMO Actionゆずりの電子手ブレ補正機能RockSteady EISにより、ロール角のブレを補正。そのためDJI FPV Goggles V2で見る映像にブレはあっても、記録される映像はブレなしとなるようです。
撮影時は常にDJI FPVの前面を被写体に向けなくてはなりません。とはいえワンオペで操縦&撮影するためのドローンですから、操作がシンプルになったと歓迎すべきことですね。
しっかしまあ、速いこと速いこと。レーシングドローンのようにアクロバティックに飛ばせる(でも大きく重くて高いので、実際にレース用として使うのは無理がある)し、コントローラとの信号が途絶したら離陸位置に戻ってくるし、最大飛行時間も約20分(実効飛行時間は10分くらいか)と長い。
なんといっても、DJI FPVの視界が自分のものとなる感覚は、他の撮影向けコンシューマードローンでは味わえなかったものです。撮れる映像もシネマティックなものですし、これは空遊びがはかどる1機でしょう。目視外飛行専用機ゆえに、国土交通省への飛行許可承認申請がキツいものとなりますが。
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