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現状ではハードル高すぎ。Steamが8Kストリーミングリモートプレイに対応 - ギズモード・ジャパン

再生環境もないし…。

Steamが先日リリースした最新のクライアントアップデートではRemote Playでの最大8K解像度ストリーミングのサポートが追加(Source: PCWorld)されました。しかしこの解像度をサポートできるのは2種類の最新グラフィックスカードだけで、さらに8Kテレビの価格が数千ドルから数万ドルにもなることを考えると、とうてい平均的な消費者には手が届かない話です。

Remote PlayはSteamのコア機能の一つで、PCの電源が入っていればSteam Linkアプリからライブラリ内のゲームを別のデバイス(iOS、Apple TV、Androidスマートフォンなど)でプレイできます。なおストリームの品質は、配信側のハードウェアに部分的に依存します。

しかし市販のコンシューマー向けカードで8Kストリーミングに対応しているのは、NvidiaのRTX 3090とAMDのRadeon RX 6900 XTだけで、これらのGPUでもほとんどのゲームでグラフィック設定を高にした場合、毎秒60フレームに達しません。なおほとんどのGPUは4Kにも対応しておらず、少なくともウルトラ設定で60fpsを出すことはできません。

Steamによる最新のハードウェア調査によると、Nvidia GeForceの所有者のうちわずか0.30%しかRTX 3090を持っておらず、新しいAMD Radeon 6000シリーズは数字にすら現れていません。最も多くのユーザーを抱える最新のAMD製GPUはRX 5700 XTで、1.02%でした。そして10%近くのユーザーがGTX 1060をまだ保有しています。

帯域幅とデータ消費の問題もあります。Steamのリモートプレイはクラウドゲームに似ていますが、NvidiaやStadiaのサーバーに接続するのではなく、自分のPCに接続しているるのです。データは自宅のインターネット回線を経由して、テレビやスマートフォンなどゲームをプレイする機器に転送され、機器で行った入力はPCに戻されます。これだけの量のダウンロードとアップロードが必要なのです。

Stadiaによると、4Kでゲームをストリーミングするには1時間に20GBもの容量が必要です。同じデータプールを他のユーザーが使用していないと仮定すると、8Kストリーミングでは倍の容量が必要となる可能性があり、1時間あたり最大40GB、あるいは1カ月あたり最大25時間のゲームプレイが可能です。これはデータ上限のあるISP(インターネットサービスプロバイダ)を使っていてデータ上限を超えるために料金を払わなければならない人にとっては悪いニュースです。またこれだけの量のデータを処理するには、最低でも75〜100Mbpsのダウンロード速度が必要です。

8Kが一般消費者の間で標準の解像度となる日はいつかくるでしょうが、8Kテレビやグラフィックカードのコストと入手のしやすさを考えると、その日はすぐにはこないでしょう。ま、将来は問題が解決されることを期待したいですね。

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