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変形する月面探査ロボット「SORA-Q」、22年度中に2度も月へ - ITmedia NEWS

 タカラトミーは3月15日、開発に協力している変形型月面探査ロボットがJAXAの月着陸実証機「SLIM」(スリム)に搭載され、2022年度中をめどに月面でのデータ収集を行うと発表した。併せてロボットの愛称が「SORA-Q」(ソラキュー)に決まったと明らかにした。

変形型月面探査ロボット「SORA-Q」(ソラキュー) JAXA/タカラトミー/ソニー/同志社大学

 SORA-Qは直径約8cm、約250gという小さな球形ロボット。球形のまま月面に放り出されると中央で割れ、中からカメラが起き上がり、しっぽのようなスタビライザーを背後に延ばす。

 両側の外装をタイヤのように回転させ移動し、前後のカメラで月面やわだちを撮影する。左右の車輪を同時に動かす「バタフライ走行」と、個別に動かす「クロール走行」に対応し、傾斜地での走行にも対応できる。

中央の黄色い部分がカメラ
左右の車輪を同時に動かす「バタフライ走行」
左右の車輪を個別に動かす「クロール走行」で傾斜地も安定して走行

 SORA-Qは、タカラトミーとJAXA、ソニーグループ、同志社大学による共同研究チームが2016年から開発を続けてきたロボット。タカラトミーは「ZOIDS」(ゾイド)や「Omnibot 17μ i-SOBOT」「トランスフォーマー」などの知見を生かしたという。「おもちゃのアイデアが持ち込まれることで世界でも珍しい変形する探査ロボットが誕生した」。

 愛称の由来は宇宙(そら)と宇宙に対するQuestion(問い)、Quest(探求)、そして球体であること。横からのシルエットが「Q」に似ていることも併せて研究チームが命名した。

 JAXAのSLIMプロジェクトは、小型軽量の探査機を用い、月などの降りたい場所にピンポイントで降りる技術の確立を目指すプロジェクト。2022年度中に最初の月面データ収集を実施する計画だ。またSORA-Qはispaceが年内に実施予定の月着陸ミッションでも月の表面を走行する予定で、短期間のうちに2度の月面探査で使われることになった。

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