宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、探査機「はやぶさ2」が特殊なカメラで撮影した小惑星リュウグウの画像の解析で、水に浮く軽石のように密度が低い「スカスカの岩石」を発見したと発表した。これまでもリュウグウの密度は低いとみられていた。はやぶさ2が地球に持ち帰った試料にも含まれる可能性が高いという。
岩石は、直径約9メートルのクレーターの中心部で発見された。10センチ程度の赤黒い岩石が、直径数十センチの範囲に密集しており、表面温度のデータ解析などから体積の70%以上が空洞で、水に浮く密度と判明した。
宇宙を漂う塵の集合体である「微惑星」が徐々に凝集し、中心の密度は高いが表面をスカスカの岩石が覆うリュウグウの母天体を形成。それが壊れて集まり、リュウグウができたのではないかとみられている。今回の発見は、この仮説の裏付けにつながる。
はやぶさ2がリュウグウに着地をした際にも、スカスカの岩石の特徴と同じ赤黒い物質が舞い上がったという。そのため、解析を行った坂谷尚哉・立教大助教は「地球に持ち帰ったリュウグウの試料に含まれている可能性が高く、その分析によって、リュウグウの成り立ちの謎解明がさらに進むのではないか」と話している。
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