米Microsoftは11月11日(現地時間)、「Windows 11」で提供されている新しい「Microsoft Store」が「Windows 10」でも利用可能になったと発表した。「Windows 10 バージョン 2004」以降へ段階的に展開される。ユーザー側で必要なアクションはない。
新しい「Microsoft Store」(「ストア」アプリ)は一からデザインが見直されており、より多くのコンテンツをコンパクトに表示しつつも、アニメーションなどを効果的に活用して応答性が高く、シンプルかつ迅速にコンテンツを入手できるように設計されている。しかし、注目すべきはその内容だろう。
新「ストア」アプリは従来のUWPアプリに加え、Win32アプリ(WinForm/WPFなど)やWebアプリ(PWA)も登録できるようになっている。たとえば、無料のPDFリーダー「Adobe Acrobat Reader DC」はこれまでAdobeの公式Webサイトからしかダウンロードできなかったが、新しい「Microsoft Store」では「ストア」アプリで検索して見つけ、セットアップできる。Webブラウザーを起動して、正規のダウンロードサイトを検索する必要はない。
ここで得られる「Adobe Acrobat Reader DC」のインストーラーはAdobeが提供し、Microsoftがチェックしている正当なもので、追加のセキュリティツールや「Google Chrome」拡張機能は含まれていない。安心して入手できるチャンネルの一つとして積極的に活用するとよいだろう。ただしアップデートの管理は「ストア」アプリではなく、当該アプリに内蔵されている自動更新機能が行う仕組みとなる。つまり、「ストア」アプリはインストーラーのダウンロード窓口に過ぎない。
さらに、新しい「ストア」アプリでは「Microsoft Store」以外のアプリストアを配布することも許されている。たとえば、ゲームアプリのストアとしてはすでに「Epic Games Store」が利用可能。「Microsoft Store」ではMicrosoftが提供する課金システムを利用せず、自社の決済インフラを用いることも許されているので、今後は「Steam」なども提供される公算が高い。Windows 11ならば、来年にはAmazonのアプリストアを通じてAndroidアプリの提供も開始される(Windows 10では利用不能)。
また、「Microsoft Edge」のエンジン(EdgeHTML/Blink)以外を用いたWebブラウザーの登録が認められているのもAppleの「App Store」などとは異なる点。すでに「Firefox」が「ストア」アプリから入手可能だ。これまで「Microsoft Store」で提供できなかったり、提供を渋っていたアプリの登録も期待できるので、今後もラインナップは拡充されていくはずだ。
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