Search

Ryzen 9&RTX 3080搭載の高性能ゲーミングノート「ROG Zephyrus G15」をレビュー - PC Watch

RyzenとGeForce RTXのコラボゲーミングノートPC

ROG Zephyrus G15(GA503QS)

 ASUSは3月3日、Ryzen 9 5900HSとGeForce RTX 3080を搭載した15.6型ゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G15(GA503QS)」発売した。価格は29万9,818円(税別)。

 以下の記事にあるように、同社はRyzen 9 5900HSとGeForce RTX 3080を搭載した15.6型の「ROG Strix SCAR 15 G533QS」と、17.3型の「ROG Strix SCAR 17 G733QS」をすでに発表済みだ。この2機種はよりゲーミングに特化したものになっており、RGBキーボードバックライトやKeystone IIなどに対応している。

 対して今回ご紹介する「ROG Zephyrus G15(GA503QS)」は、これらには非対応だがその分、薄く軽くなっている。ゲームもしたいが、超高性能マシンを仕事にも使いたい……という層には派手さがない分、本機のほうが扱いやすそうだ。おもな仕様は以下のとおり。

【表1】ASUS「ROG Zephyrus G15(GA503QS)」の仕様
プロセッサ Ryzen 9 5900HS(8コア16スレッド/3GHz~4.6GHz/L3キャッシュ 16MB/TDP 35W)
メモリ DDR4-3200 32GB(16GB×2)
ストレージ M.2 NVMe SSD 1TB(PCI Express 3.0 x4接続)
OS Windows 10 Home
ディスプレイ 15.6型WQHD(2,560×1,440ドット)、非光沢、DCIP-3 100%、リフレッシュレート165Hz
グラフィックス GeForce RTX 3080(8GB/GDDR6)
ネットワーク Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5.1
インターフェイス USB 3.1 Type-C×2(DisplayPort対応)、USB 3.1×2、、HDMI、音声入出力、microSDカードスロット、
バッテリ駆動時間 約11.6時間
サイズ/重量 約355×246×19.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.99kg
カラーバリエーション ムーンライトホワイト、エクリプスグレー
価格 29万9,818円(税別)

 プロセッサはRyzen 9 5900HS。7nmプロセスで8コア16スレッド、クロックは3GHzから最大4.6GHz。キャッシュはL1 8KB/L2 4MB/L3 16MB、TDPが35W。最近のモバイル用SKUで強力なものだ。

 メモリはDDR4-3200の16GB×2で計32GB。ストレージはPCI Express 3.0 x4接続のM.2 NVMe SSD 1TB。OSはWindows 10 Homeを搭載している。バージョンは2004だったが、そのままアップグレードせずに評価した。

 グラフィックス機能はプロセッサ内蔵のRadeon Graphicsと、AmpereアーキテクチャのGeForce RTX 3080(8GB/GDDR6)。外部出力用にHDMIとType-C(DisplayPort対応)を備えている。

 ディスプレイは、画面占有率85%で非光沢の15.6型WQHD(2,560×1,440ドット)。最大リフレッシュレートは165Hzとなる。明るさ300cd/平方m、色域DCIP-3 100%。

 ネットワーク機能は、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5.1。そのほかのインターフェイスは、USB 3.1 Type-C×2、USB 3.1×2、音声入出力、microSDカードスロット。キーボードはバックライトつきだ。なお2つあるType-CはDisplayPortとUSB PDにも対応している(手持ちの機材で確認)。

 サイズは約355×246×19.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.99kg。2020年モデルが約360×252×19.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量2.1kgだったので少しコンパクト(フットプリント約4%減/画面占有率も81%だった)に、そして軽くなっている。カラーバリエーションは、ムーンライトホワイト、エクリプスグレーの2色。バッテリ駆動時間は最大11.6時間。

 手元に届いたのはムーンライトホワイトのモデル。天板にはアルミニウム合金、底面にはマグネシウム/アルミニウム合金製パーツを使用している。ムーンライトホワイトの場合、重厚感はないもののシンプルでなかなか格好いい。

 ASUSの説明によると、エコシャイン塗装と呼ばれる、下地/補強/着色/パーツの4レイヤーになっているとのこと。キートップの色が同じ白でも若干違いアクセントになっている。LANのコネクタからもわかるように結構薄く、筐体も白いので、持ったときあまりずっしり感じることもない。

 前面は上左右が4.6mmと狭額縁だ。ゲーミングPCらしくWebカメラはない。左側面に電源入力、HDMI、Gigabit Ethernet、USB Type-A、Type-C×2、音声入出力。右側面にロックポート、microSDカードスロット、Type-Aを配置。パネルは180度傾けることができる。裏は前後に1本バーのゴム足と手前左右のスリットにスピーカー。

 ACアダプタはサイズ約150×70×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量480g、出力20V/10A。少し大きめだが、構成を考えれば仕方ないところか。ただしType-CはPD対応なので市販のものも使用可能だ。

 15.6型のディスプレイはパッと見ただけで色域が広いのがわかる。明るさ、発色、コントラスト、視野角も良好。非光沢なので眼にも優しい。

 i1 Display Proを使い特性を測定したところ最大輝度は344cd/平方m。最大輝度から-5が139cd/平方m、-6が106cd/平方mであり、写真を観るのに適していると言われる明るさ120cd/平方mのため前者で計測した。黒色輝度は0.146cd/平方m。つまり、目視可能かは別として若干黒が浮く。リニアリティは、輝度が上がるほどズレが大きく、無補正だとグリーン被りしている。

測定結果1/白色点と黒色輝度
測定結果2/R・G・Bのリニアリティ

 キーボードはテンキーなしのアイソレーションタイプ。オフ+3段階のキーボードバックライトつき。冒頭に書いた様にRGBではなく白一色となる。主要キーのキーピッチは約19mm。さすがにフットプリントが広くさらにテンキーがないため、ゆったりしたキーレイアウトだ。打鍵感は軽めだが、ストロークは少し深め、クリック感があり個人的には好みだ。

 15.6型でテンキーなしは貴重。タッチパッドは物理的なボタンがない1枚プレート型。前世代より20%も大きくなっている。パームレストも含め十分の面積が確保され扱いやすい。

 ノイズや振動、発熱は後述するArmoury Crateで動作モードをサイレント、パフォーマンス、Turboと切り替えができるため、各モードで差がある。サイレントでも0ではなく、本体に耳を近づけると音がして発熱もある。もちろんTurboだと性能だけでなく、これらも最大となるが、思っていたほどうるさくもなく、熱も持たない。同社のインテリジェント冷却機能が効いているようだ。熱自体はおもにキーボード上部のスペースが暖かくなるだけで、パームレストまでは降りてこないため気にならない。

 サウンドは、裏の手前左右のスリットから出ている。このため机などに音が反射し、関節音が耳に届く。音質はピラミッドバランスで、中/低域が太くズッシリした感じだが、その分、高域が薄く、また全体的なパワーもあと一歩ほしいところか。

3DMarkは言うまでもなくPCMark 10 Scoreも7千超えの超高性能

 スタートメニューにはASUSグループがプリインストールされている。操作感はこのスペックからして悪いはずもなく、また15.6型のフットプリントでテンキーもないため、キーボードなどが広々しており非常に扱いやすい。

 ストレージはM.2 NVMe SSD 1TB(PCI Express 3.0 x4接続)のSK Hynix「HFM001TD3JX013N」。Cドライブのみの1パーティションで約933GB割り当てられ空き880GB。BitLockerで暗号化されている。

 Wi-FiとBluetoothはIntel製、Gigabit EthernetはRealtek製だ。デバイスマネージャーには、RadeonとGeForceが2つ並ぶあまり見たことのない構成となっている。GeForce RTX 3080は、CUDAコア6,144、メモリ8,192MB/GDDR6なのがわかる。

起動時のデスクトップ
ストレージはM.2 NVMe SSD 1TB(PCI Express 3.0 x4接続)のSK Hynix「HFM001TD3JX013N」。Wi-FiとBluetoothはIntel製、Gigabit EthernetはRealtek製
Cドライブに約933GB割り当てられている。BitLockerで暗号化
CUDAコア6,144、メモリ8192MB/GDDR6

 おもなインストール済みのソフトウェアは、「Armoury Crate」、「i-フィルター6.0」、「McAfee Personal Security」、「MyASUS」、「WPS Office」など。Armoury Crateは、画面キャプチャからもわかるように、ゲーミングPCならではのシステムコントロール系だ。

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、Cinebench R23、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Officeを実行した。

 Armoury Crateで動作モードを標準のパフォーマンスで測定。Time Spyのみ内蔵GPUの性能、dGPUのサイレント/パフォーマンス/Turboの4パターン掲載した。順に少しずつ性能向上しているのがわかる。

プロセッサ内蔵のiGPU/AMD Radeon Graphicsもその性能には定評があるものの、さすがにGeForce RTX 3080とは比較にならず、Turboだと約10倍の差が出ている。

PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは7時間52分(キーボードバックライトオフ。明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。Ryzenのバッテリ駆動は、Intelと比較して短めのイメージがあり、仕様上約11.6時間だったので、本当かなと思ったが、テスト内容を考慮するとがんばったほうではないだろうか。

【表2】ベンチマーク結果
PCMark 10 v2.1.2508
PCMark 10 Score 7,016
Essentials 10,209
App Start-up Score 14,986
Video Conferencing Score 7,647
Web Browsing Score 9,287
Productivity 9,566
Spreadsheets Score 11,103
Writing Score 8,242
Digital Content Creation 9,598
Photo Editing Score 14,978
Rendering and Visualization Score 11,608
Video Editting Score 5,086
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.0 5,176
Creative Accelarated 3.0 6,493
Work Accelarated 2.0 5,992
Storage 4,990
3DMark v2.17.7137
Time Spy 1,514@内蔵GPU(パフォーマンス)
9,991@dGPU(パフォーマンス)
7,395@dGPU(サイレント)
10,485@dGPU(Turbo)
Fire Strike Ultra 6,765
Fire Strike Extreme 12,246
Fire Strike 21,264
Sky Diver 40,760
Cloud Gate 47,047
Ice Storm Extreme 107,318
Ice Storm 93,537
Cinebench R23
CPU 13,182 pts
CPU(Single Core) 1,459 pts
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード 3,599.754 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト 3,028.029 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード 1,708.844 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト 543.755 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード 423.986 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト 527.403 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード 62.003 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト 153.550 MB/s

 以上のようにASUS「ROG Zephyrus G15」は、15.6型でRyzen 9 5900HSとGeForce RTX 3080を搭載した強力なゲーミングノートPCだ。RGBキーボードバックライトなど、派手な演出には未対応だが、その分、少しコンパクトで軽く、また仕事にも使いやすくなっている。

 15.6型WQHDのパネルはDCIP-3 100%で色域も広く色関係の作業も問題ない。ゲームだけでなく、仕事でも超高性能なCPUとdGPUを必要とするユーザーにおすすめしたい1台だ。

Let's block ads! (Why?)


からの記事と詳細
https://ift.tt/3ek6zLR
科学&テクノロジー

Bagikan Berita Ini

0 Response to "Ryzen 9&RTX 3080搭載の高性能ゲーミングノート「ROG Zephyrus G15」をレビュー - PC Watch"

コメントを投稿

Powered by Blogger.