7月8~11日にかけて英国で開催された自動車の祭典グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、英国のEVスタートアップMcMurtryが、小粒ながらまるでバットモービルのような雰囲気を放つプロトタイプEV「Spéirling」を公開、疾走しました。
このクルマ、外観もかなり特徴的ですが、その床下にはエアーを吸い出すことで強力なダウンフォースを生み出すためのファンを搭載。マシンが走行中か否かにかかわらず、500kgのダウンフォースを発生すると説明されます。
ファンで床下のエアーを吸い出すアイデアと言えば、モータースポーツファンや自動車好きならおそらくすぐにゴードン・マレー氏のブラバムBT46BやMurrayやGordon Murray T.50の名前が思い浮かぶと思いますが、それと同様のメカニズムを採用してダウンフォースを確保することで、空気抵抗にもなるウィングなどエアロパーツ類をなくし、その分空力的デザインを空気抵抗の削減に全振りしています。
その真っ黒いボディは軽量化のためカーボンファイバーを採用。ボディ形状もあいまって、まるで寸足らずなバットモービルとでも言うべきスタイリングになりました。60kWhのバッテリーはフロアに埋め込まれるオーソドックスな方式ではなく、コクピットを取り囲むようにして配置されているのも独創的。これはかつてのフォーミュラカーが満タン重量の大きな燃料タンクをコクピット周囲に置いたのにも似たアプローチです。
駆動方式は後輪駆動で、全長3.2メートル、1000kgに満たない軽量コンパクトさのおかげもあり、スタートからわずか9秒で300km/hに到達できるとのこと。バッテリーによる走行時間は30~60分と短いものの、その間サーキットで高いパフォーマンスを発揮できます。
将来は市販も視野にあり、グッドウッドではル・マン24時間レース5勝のベテランドライバー、デレック・ベルらがステアリングを握り、あの緑豊かなコースを疾走して見せました。
McMurtryのTom Yates CEOによると、このカッコかわいいEVはGT3マシンと同等のパフォーマンスレベルを保証するとAutocarに述べています。ただしゼロから設計するのと、特定のモータースポーツに参戦するわけではないため、それらの「技術的ルールは一切無視して開発した」のだそう。そのため現在は信頼性を確保してブランドの認知してもらうことを推し進め、一方でマシンとその技術を検証し、いつかはレースに出場できるマシンを開発できるようになりたいとしています。
Source:McMurtry Automotive
via:Goodwood Festival of Speed 2021(Youtube)
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