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え!? 街の人全員とは話さないの!? 失われたゲームあるある10選 - インサイド

「リセットを押さずに電源を切った」といえば、どういう意味でしょうか? みなさん分かりますか? 聞いたことぐらいはありますでしょうか。今や“リセットボタン”自体が存在しませんから、全く意味が分からないという人もいるかもしれません。

これは後程詳しくお話しますが、ファミコン時代に生まれた“ゲームあるある”です。ゲーマーであれば、ゲームあるあるの1つや2つ、知っていますよね。例えば「物欲センサー」といえば、ほしいアイテムだけがなかなかドロップしない、というような現象を指したゲームあるあるです。

物欲センサーは今も現役のゲームあるあるですが、時代の流れの中で、失われてしまった、あるいはあまり見かけなくなったあるあるも存在します。先ほどの「リセットを押さずに電源を切った」もその1つです。今回はそんな“失われたゲームあるある”についてご紹介します。懐かしんでいただいたり、そんな時代があったんだと面白がってもらえればと思います。

■リセットを押さずに電源を切った

手前右側の四角いボタンがリセットボタン、左側のスイッチが電源です

昔、ゲームにはセーブ機能というものがありませんでした。ゲームのセーブ機能が広く一般に知れ渡ったのは、『ドラゴンクエスト3』にバッテリーバックアップが搭載されたことが大きなきっかけだと思います。バッテリーバックアップが搭載されたゲームを遊ぶ時は決まりがありまして、ゲームを終了するとき、本体にある“リセットボタン”を押しながら電源を切る必要がありました。

それをしないとどうなるか、なんと最悪の場合データが破損して続きが始められなくなってしまうのです。当時は今のようにスリープ機能なんてありませんし、コントローラーから電源を切る操作をするのではなく、本体のスイッチをパチっと切る方式でしたから、長くゲームをしていると「いつまでゲームしてんの! 早く宿題しなさい!」なんてお母さんに怒られて、電源を切られてしまう、というようなことがあったんですね。そこで真っ青になって、「わーっ! リセットを押さずに電源をきったー!」となるわけです。

■街についたら全員と話す

つづいていくつか、『ドラゴンクエスト』シリーズのようなRPGにまつわるあるある。これに関しては今でもそういうゲームはあると思うんですが、昔に比べてだいぶ減ってきたなという印象にあるのが、街の全員と話す行為。昔はほとんどRPGが、街に着いたら全員と話していたと思います。そもそも、そんなに街が大きくなかったですし、人の数もたいしたことがありませんでした。

それがだんだん街が大きくなり、人数も増えて、なんならしゃべる内容もゲームの進行によって変わる頻度が多くなり、そのうちプレイヤーがこう思うようになったんですね。「正直めんどくさい……」と。というわけで、今ではいろんな形でこれを軽減するゲームが増えてきていて、重要な会話をしゃべる人がマーキングされたり、雰囲気だけの会話は話しかけなくてもあちこちで聞こえたり、プレイヤーがいちいち隅から隅まで走り回って話しかけなくてもいいようなゲームがだいぶ増えてきたと思います。

■街の周りをぐるぐるまわってレベル上げ


もうひとつRPGのあるある。新しい街につくと、儀式のように行っていたのが、街の周りをグルグルグルグルまわる行動。これは、街の周りをまわって敵に遭遇するのを待つ、レベル上げの行動で、昔はRPGの定番でした。

今思うとなんかちょっとマヌケな感じもしますね。最近は、そもそも立ち止まって経験値稼ぎをしなくても、ストーリーを進めていくとちょうどよくレベルが上がっていくゲームが増えましたね。それに、歩いていたら突然遭遇する“ランダムエンカウント”ではなく、敵に触れると戦闘が始まる“シンボルエンカウント”のゲームも多いです。広大な大地を走っていくと、小山のようなモンスターがのしのし歩いていて、近くに行くとそのままシームレスに戦闘が始まる、なんていうような、昔は想像もできなかったような臨場感のある演出が、色んなゲームに採用されるようになりました。

■モンスターがエリアの境目にいて困る

マルチプレイ公開!『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』カプコンTV!#66

モンスターハンター』シリーズではおなじみのあるある。モンスターがエリアの境目にいると、攻撃をする時やダメージを受けたときにうっかりその境を超えてしまって、自分だけエリアチェンジしてしまう、ということがありました。

しかし、『モンスターハンター:ワールド』でこの仕組みは一新されて、ひとたびクエストが始まればエリア移動することはなくなりました。ゲームハードが進化して、大きなエリアをロードなしで表現できるようになったのです。おかげで移動もずっと爽快になりましたね。きっとこれからは、“モンスターがエリアの境目にいて困る”ことは無くなっていくのでしょう。

■携帯ゲーム機の為に電池を大量に買う

ニンテンドースイッチのバッテリーが切れそうになったらどうしますか? ドックにつなぎますよね。要は、充電します。でも、ゲームボーイなどの最初の頃の携帯ゲーム機にバッテリーなんてありませんでした。じゃあどうしていたのか、電池を入れていたんですね。なので、電池が無くなると困るので、安くまとめて売ってたりすると、一気に買っておいたりしていました。

ちなみに、ニンテンドースイッチでバッテリーが少なくなったら、可能ならすぐセーブ、最低でもスリープだと思いますが、初期のゲームボーイにスリープなんてついていませんでしたから、セーブできるところまでなんとかたどり着こうとして途中でプチッと切れる、なんていう不幸な事件がたまに起きていました。

■CGムービーに入るとキャラが別人

CGムービーという言葉自体、だんだん使われなくなってきているように感じます。今は、演出の入るムービーパートと、プレイヤーが動かすゲームパートのモデルは同じで当たり前、事前に自分で装備していた武器や鎧なんかも反映されますよね。

初代PlayStatoinやセガサターンなどが発売された時代に、それまでのROMカセットからCDにメディアが変わり、大容量が使えることになって、CGムービーが使われ始めました。現代のゲームで多い、ゲームをプレイするのと同じモデルを実機で計算して表示する方法を、リアルタイムレンダリングといいますが、当時は、イベントシーンだけあらかじめ作っておくプリレンダリングムービーが主流でした。要は、完成した映像を流していたのです。

プリレンダリングムービーであれば、ゲーム機の性能と関係なく精細な映像表現をすることができますが、結果的にプレイヤーが操作するキャラクターと、ムービーとで大きな違いが出て、まるで別人のようになることもままありました。

■途中でディスクを入れ替える

初代PlayStationの頃にゲームがROMカセットからCDになって大きく容量が増えた、というお話をしましたが、メディアの容量が大きくなっていくスピードを超えて、ゲームソフトに必要なデータ量は増大し、どんどん足りなくなっていきました。その結果、CD2枚組で、ゲームを途中まで遊んだら、Disc2に切り替える、というゲームが発売されるようになりました。

しかし、ゲームデータの膨大化はどんどん進み、それでも足りなくなり、『ファイナルファンタジー8』などは、なんと4枚組で発売されていました。今、おそらくほとんど4枚組なんてゲームはないと思うんですが、当時は4枚もCDがあると、大作感があってワクワクしたものです。

■ボスに負けた時の絶望感

いまだって、ボスに負けた時は絶望を感じるよ! という人も当然いると思いますが、声を大にしていいたい。そんなもんじゃなかった! そんなもんじゃなかったんだよ! 今はゲームがずいぶん親切になって、ボス直前にセーブポイントがあるのは当たり前ですし、なんならオートセーブだってあります。

しかし、昔は、そもそもセーブがなかったのです。アクションゲームやシューティングゲームでは、スタートしてからクリアするまで、途中の状態を記録できない方が普通でしたし、スリープもありません、とにかく始めたら一気にクリアするしかなかったんです。

RPGではセーブの代わりに現在の状態を呼び戻すパスワードがあって、不規則なひらがなの羅列などを手書きでメモすることで、途中から始めることができました。しかしそれも、ダンジョンの途中などではパスワードをもらうことができないのが普通でした。

迷宮を踏破して、やっとのことでたどり着いた先、ボスに倒されればやり直しなんてことは珍しくありませんでした。ゲームによっては、それまで手に入れた経験値、お金、アイテム、一切合切全部なかったことになります。場合によってはその迷宮踏破に2時間、3時間かかるようなことすらある中で、プレイヤーは絶望に打ちひしがれたのでした。

■効果音が鳴るとBGMが寂しくなる

なんじゃそりゃ、と思うかもしれませんが、実際にあったんですね。同時発音数といいますが、例えばファミコンでは、同時に鳴らせる音は最大4つと決まっていました。しかも4音自由自在というわけではなく、そのうち1音はノイズのような音程を感じられない音です。

2つの音で和音を構成して、1つでメロディ、最後の1つでリズムを鳴らしているときに、別の効果音を鳴らそうとするとどうなるかというと、リズムが消えてちょっとBGMが寂しくなったりするわけです。今では同時発音数なんて気にすることすらなくなってしまいましたね。

昔は大変に制限のある中でゲームの音楽が作られていましたが、それでも現代に残る数々の名曲が生まれましたし、制限があるからこそ他の音楽とは明らかに異なる、ゲーム音楽文化が作られてもいました。

■コードに引っ掛けてゲームが止まる

今のコントローラーはコードレスが当たり前になりました

今おそらく、コードに足をひっかけてゲームが止まるというようなことは、ほとんどないと思います。なぜなら、自分が操作しているコントローラーと、本体との間にコードが無いからです! さらに言えば、PS4やPS5のような大きいゲーム機は、テレビ台などの中にしまってあって、あまり本体を触らないと思いますし、ニンテンドースイッチのようなゲーム機は手でもって遊ぶことを前提としているわけで、ちょっとやそっと動いたからといってまったく支障がありません。

ファミコンの時代は、前述したように、ゲーム機本体のスイッチで電源を入れて、ゲームをやり直す時も、本体のリセットボタンを押していたので、ゲーム機は手が届くような範囲に置いて遊んでいました。そしてそれが当然テレビと接続していますし、ゲーム機からはコントローラーのコードも伸びていました。しかも、ファミコン時代のゲームは、本体に差し込んでいるカセットがちょっと動いたぐらいで、止まってしまうようなものでした。

そこで、ファミコンで遊んでいる周りを家族の誰かが通りかかって足でコードをひっぱったりすると、「ピーーーーーー」なんて音をならして動かなくなってしまうのは日常茶飯事でした。

■ゲームは全部“ファミコン”!

家庭用ゲーム機というものが日本に普及して、色んなハードが登場して、多様化して、たくさん遊ばれるようになりました。きっと、ゲーム機といえば何? と聞けば、世代だったり、人によって、違う答えが返ってくるんじゃないかと思います。

でも、その大きなきっかけとなったのは、ファミコンでした。だから、ファミコンが一大ブームを巻き起こした後、スーパーファミコンがでても、PlayStationが出ても、それほど興味のない人にとって、ゲーム機をまとめて“ファミコン”と呼ぶようなことがありました。今ほど大人がゲームに触っていませんでしたし、プレイヤーの男女比率も、男性がかなり多かった時代です。「もうファミコン終わりにしなさい!」「お母さんはみんなファミコンなんだから! これはプレステ!」なんて会話があったりしましたね。

過去のゲームあるあるを振り返ってみました。書いていてとても懐かしくなりましたが、そんな時代はもう、遠く過ぎ去っているのですね。町の人は親切で、セーブはオートになり、電池はバッテリーに、エリアチェンジの無い広大なマップ、「おとなもこどもも、おねーさんも。」いろんな人が、たくさんの人が、ゲームを遊ぶようになりました。すごいことです。素晴らしいことです。そしてまた、次の時代の新しいゲームあるあるも、きっと生まれていくのでしょう。


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