新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、開設が相次ぐ自費検査施設。手頃な価格設定や、郵送でも検査できる手軽さで人気を集めるが、そのニーズを探ると、行政の検査体制が抱える課題や、新型コロナをめぐる人々の不安が透けて見えてきた。誰でも簡単に受けられるのか、記者も実際に申し込んでみた。
12月12日午後3時。東京・渋谷のハチ公前に向かうと、「PCR」と書かれた赤い帽子をかぶる若い男女が立っていた。新型コロナの自費検査を実施する「にしたんクリニック」のスタッフだ。この日は土曜日で買い物客やサンタクロースの扮装をした若者らで混雑していたが、すぐに見つけることができた。
唾液(だえき)によるPCR検査を前日、ネットで申し込んだ。費用1万8千円(税別)は予約時にクレジットカードで決済し、唾液を入れる容器など検査キットの受取場所として指定されたのがハチ公前だった。
赤い帽子のスタッフは、検査を申し込んだ人たちから次々に声をかけられていた。数分のやり取りの後、検査希望者は検査キットが入った白いポリ袋を手に去っていく。記者も続くと、身分証か予約時のメールの提示を求められた。確認が済むと、スタッフは足元のクーラーボックスを探り、記者の名前が書かれた検査キット入りの封筒を手渡してきた。
「手を洗ってから扱ってください」「唾液採取前に歯磨きや飲食をしないでください」。手際よく注意事項を告げられた後、いったん自宅へ。説明書に従って唾液を容器にため、吸水シートと緩衝材でくるんで密封袋におさめた。容器を渡すため、午後5時にハチ公前広場に戻ると、別のスタッフが待っていた。
「検査結果のお知らせ」のメールが届いたのは、それから5時間後の午後10時。どきどきしながら添付ファイルを開くと、結果は「陰性」だった。
春には「症状があっても受けられない」と言われていた検査は拍子抜けするほどスムーズだった。ほっとした瞬間、最初に思ったのは「これで同僚に迷惑をかけないで済む」ということ。保健所に陽性と報告され、濃厚接触者とされた同僚も自宅待機を強いられることになれば申し訳ない、と恐れていたことに気づいた。(荻原千明)
「玉虫色」の対応だから人気?
東京都内にある「にしたんクリニック」が自費検査の受け付けを始めたのは8月。感染が再拡大した11月には申し込みが急増し、12月は前月の3倍のペースで殺到している。多い日で6千件ほどに達する。検査キットを郵送で受け取り、自宅で採取した唾液(だえき)を返送すれば、全国どこでも利用できるという。
同クリニックによると、検査を…
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