最大HDD6台、SSD8台すべてを搭載可能!?
2020年12月29日 11時00分更新
タワー型デスクトップパソコンの魅力は、その拡張性にある。購入時の構成のまま使えるのはもちろんだが、メモリーやストレージの増設、CPUやビデオカードの換装などで性能を後から強化しやすいため、末永く使えるのがメリットだ。
とくに大型のミドルタワーケースを採用しているサイコムの「G-Master Spear X570A II」は、ケースの内部が広く取られているのが特徴だ。このケース内部の空間余裕は、大型パーツの組み込みでも有利。水冷などの大型CPUクーラーはもちろん、高性能なビデオカード、大容量電源も楽々と行なえるため、将来のアップグレードまで考えている人にもピッタリなモデルといえる。
このG-Master Spear X570A IIについて、今回はその内部をチェックしていこう。
標準スペック | 試用機のスペック | |
CPU | Ryzen 5/7/9各種 | Ryzen 7 5800X |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 Ti | GeForce RTX 3070 |
メモリー | 16GB | CENTURY MICRO 16GB×2 |
ストレージ | 512GB SSD(Intel SSD 660p Series) | 500GB SSD(CSSD-M2B5GPG3VNF) |
マザーボード | GIGABYTE X570 AORUS ELITE | |
PCケース | CoolerMaster MasterBoxCM694 | |
電源 | SilverStone SST-ST75F-GS V3 (750W/80PLUS Gold) | SilverStone SST-ST85F-GS V2 (850W/80PLUS Gold) |
ストレージ用のベイが充実
最大HDD6台、SSD8台すべてを搭載可能!?
G-Master Spear X570A IIで採用されているケースは、Cooler Masterの「MasterBox CM694」。多くのストレージを搭載できるベイの数が多いのが特徴だ。
最近のケースは5インチベイがなく、光学ドライブが搭載できないというものもあるが、このケースはしっかりと2つの5インチベイを装備。標準構成でDVDスーパーマルチドライブが搭載されているので、特別なカスタマイズをすることなく、CDやDVDを読み書きできるようになっている。
以前に比べれば必要性は薄れているものの、今でも機器のドライバーやソフトのインストールで使うこともあるだけに、標準で搭載されていても損はない。
HDDなどを搭載できる内部のベイは、少々特殊な構成だ。
まず目につくのが、フロント部に6つあるように見えるシャドウベイ。実はこれ、6つの大きなシャドウベイではなく、2つのシャドウベイをもつドライブケージが3つ装着された状態となっている。
このドライブケージは個別に着脱できるため、エアフローを重視するために使用していないものを外すとか、大型ビデオカードを挿す際に外してスペースを作るといったことが簡単にできるわけだ。
また、ドライブケージに装着されているトレイも特殊で、上部に3.5インチHDD、下部に2.5インチSSDを同時に搭載できるようになっている。つまり、6つのベイで合計12台ものストレージが増設可能となっているのだ。
さらに、マザーボードの裏側に2台の2.5インチSSDを搭載可能となっているため、ケースだけで合計14台のストレージ+5インチベイ×2のドライブが搭載できる。
さすがにこのすべてを埋めるほど増設することはないとはいえ、それだけ余裕があるというのはありがたい。
大型ビデオカードやCPUクーラーを搭載しても余裕あり
ケースの内部はパーツをジャマする部品がほとんどなく、広々としているのが特徴だ。そのため、大型のビデオカードやCPUクーラーも余裕で装着可能。
今回の構成ではビデオカードにGeForce RTX 3070が搭載されていたが、ケースサイズに対してコンパクトに見えるほどだった。これなら、さらに上位のGeForce RTX 3080や同3090へとカスタマイズしても、安心して利用できる。
大型ビデオカードを装着した場合に心配なのが、振動で抜けて脱落してしまうこと。ブラケット部分をネジ止めしているうえ、スロットにロックがあるのでそう簡単には抜けないのだが、ハイエンドクラスのビデオカードになると重量がかなり重たく、抜けないまでもスロットへの負担はかなり大きくなってしまう。
この負担を軽減するため、グラフィックスカードスタビライザーが用意されている。可動式のアームでカードを挟むようにして支えてくれるため、重量級のカードを装着した場合でも、自重による歪みやスロットへのダメージを軽減できるのがうれしい。
CPUクーラーは、CoolerMasterの「Hyper 212 EVO V2」を採用。CPUの熱を4本のヒートパイプで大きなヒートシンクへと伝え、冷却するサイドフローのCPUクーラーだ。ファンサイズが120mmと大きいこともあり、CPUクーラーとしても大きな部類となる。
見てのとおり、この大型CPUクーラーも余裕で装着可能。周囲にスペースがしっかりと確保されているため空気の流れもよく、高速CPUをしっかりと冷やしてくれる。
空冷のCPUクーラーは、いかに空気の流れを改善し、素早くケース外へと熱を逃がせるかが性能のカギとなる。それだけに、大型CPUクーラーを搭載しても余裕のあるG-Master Spear X570A IIは、空冷向きの構成だといえるだろう。
なお、CPUとビデオカードの隙間には、PCIe接続のSSDを装着可能。標準はインテルの「660p Series(512GB)」となっているが、カスタマイズでより高速なPCIe4.0対応のSSDも選択できる。CPUやビデオカードだけでなく、ストレージも高速性を求めるなら、こういった高速SSDへとカスタマイズしておきたい。
ハイエンド構成でも安心して動作できる余裕のスペース
高性能なパーツを搭載するほど、熱やスペースの問題に悩まされるようになるが、これだけケースの内部に余裕があれば、その心配は不要。長く使える拡張性に優れたパソコンを探しているというのであれば、G-Master Spear X570A IIはその期待に応えてくれる製品といえるだろう。
将来の拡張性を重視する人はもちろんだが、まずはこだわりの1台を購入したいと考えている人にも、サイコムのBTOパソコンは満足できる選択肢となるのは間違いない。
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