Microsoft Flight Simulator が、無料のVR対応アップデートを配信しました。
HP Reverb G2などWindows Mixed Reality ヘッドセットに加えて、Oculus や SteamVR (Valve, HTC) を含め、OpenXR互換の各社VRヘッドセットに対応します。
マイクロソフト フライトシミュレーター (MSFS)は、1982年から続く老舗シリーズ14年ぶりの新作。
衛星写真や航空写真、Bingマップの地図データ等をAI処理することで地球上のあらゆる建造物や一本一本の木を再現したり、空中も細かなグリッドごとに風向き・湿度・気流の方向・雲等のデータを持たせ、現実の天候をリアルタイムに反映するなど、機体の挙動に留まらない全地球シミュレーションを目標に掲げる野心的な長期プロジェクトでもあります。
VR対応は最新のアップデート 1.12.13.0 を適用後、ゲーム中にいつでもデスクトップモードと切り替えて使えるようになります。アップデートは環境により15GB程度。
開発時は Windows Mixed Reality ヘッドセットからベータテストを実施していましたが、OpenXR互換のVR ヘッドセットならば Valve や HTC (SteamVR)でも、Oculus (Rift, Quest)でも利用できます。
マイクロソフト フライトシミュレータ VRベータ受付開始。要GTX1080以上、最初はWMRヘッドセットから
要求仕様は、テスト時にはGPUが GTX 1080以上、RAM 16GB以上など。ただしMSFS は高精細・ウルトラ設定・高フレームレートを求めれば必要性能が天井知らずになる一方、何を優先するか決めて折り合いをつければ旧世代のGPUでもそれなりのプレイはできるなど、一般的なPCゲーム以上に設定と性能・得られる体験の幅があるため、一概にこれ以上ならOKと決めるのは難しいタイトルです。
ゲームとしてのVRとの相性は良好。フライトシミュレーターはシミュレーションという性質上、コックピットから左右を見渡したり、計器盤だけでも高精細なモニタひとつが欲しくなるなど、リアルを求めるほどシングルウィンドウでは不自由になってきます。
愛好家は巨大なウルトラワイドモニタを使ったり、顔の向きでカメラ操作を置き換えるツールを導入していますが、VRならば自然に窓から左右や上下の計器盤、振り向いて機体内部を見渡せます。クイックアクセスのウィンドウは空間内に自由に配置できるため、これまで視界を塞がないよう開閉したり脇に寄せていた小窓も正面の視界外に置けます。
「フライトシミュレーターをフルに楽しむには超高精細モニタが何枚でも欲しい、でも現状のフル設定で滑らかに動かすには4K一枚ですらハイエンドGPUでギリ」という問題を最終解決できる可能性のあるVR対応ですが、とはいえ現状のハードウェアでは視野角が狭く、頭を動かさずに見渡せる範囲はシングルモニタのワイドより狭くなる、解像度も比較的低いなどトレードオフの状態。
MSFS自体、マルチアングルのマルチモニタにまだ対応していない(現状で見かける三画面セットアップは、一枚の仮想のウルトラワイド画面として認識させている)など、今後の発展の余地を大いに残しています。
開発責任者のヨーグ・ニューマン氏によれば、Microsoft Flight Simulator は最初から10年単位の長期プロジェクトとして発案した作品。リリース直後の時点ですでに5年先までのアップデート計画を策定するなど、今後もハードウェアの進歩やデータソースの追加で進化してゆきます。VR対応も今後の新世代GPUやヘッドセットの高性能化で進歩してゆく第一歩が始まった段階です。
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