カメラとしての価値が爆上がり。
iPhone 12 Proとともに発表されたApple独自のRAWデータ「Apple ProRAW」がiOS 14.3でついに実装されました。
その詳細な仕様は明らかになっていないのですが、現時点で使って感じたこと・わかったことをまとめます。
そもそもRAWデータってなに?
最初にRAWデータについておさらいすると、センサーが受け止めた生(RAW)データのこと。対するJPGやHEIFは、RAWデータからどの情報を画像化(現像)するかを取捨選択した後の画像データです。
画像化したデータは調理後の料理みたいなもので、後から調整できる幅はRAWと比べて非常に少ないため、メーカーが提示する色ではなく自分のトーンを表現したい多くの写真家は、基本的にRAWデータを扱ってきました。
実はそれ、Apple ProRAWじゃないかも?
さて、そんなRAWデータの新種である「Apple ProRAW」は何がすごいのか。それは次の2点にあります。
・純正のカメラアプリでRAW撮影が、純正の「写真」アプリでRAW現像ができるようになった
・RAWデータの柔軟性と、コンピュテーショナルフォトの手軽さが融合
Apple ProRAWというフォーマットそれ自体のメリットは後者なのですが、実装から間もない12月19日現在、SNS等でRAW現像した写真をアップして「Apple ProRAWすごい」と評判になっているのは大半が前者であるように見受けられます。
というのも、(おそらく)Lightroom等の一般的なRAW現像アプリはまだApple ProRAWに対応していないから。
この写真を見てみてください。
逆光で撮影した飛行機の翼と風景です。雲に露出が合っているため、地上はほとんど影のようになってしまっているのがわかります。ミラーレスデジタルカメラやコンデジで撮影すれば、だいたいはこんな感じに撮れるはず。
しかし、RAWデータであるApple ProRAWで撮影しているので、ここから暗部を明るくすることも十分可能です。
それに対し、Lightroomではなく純正の「写真」アプリでまったく同じデータを開くと、初期状態でこう表示されます。
最初から暗部や色味に調整が加わっているのがわかりますよね。これこそがDeep FusionやスマートHDR3を適用したコンピュテーショナルフォトとRAWの組み合わせ=Apple ProRAWなんだと思います。
つまり「写真」アプリでProRAWを編集する場合のみ、アップルのコンピュテーショナルフォトが適用された状態でRAWならではの柔軟な調整が行なえるようになるということ。
LightroomやCapture One等の一般的なRAW現像ソフトでApple ProRAWを開いた場合はどうなのかというと、おそらくは通常のRAWデータ(DNG形式)として扱われているはずです(とはいえ、LightroomでApple ProRAWを読み込むと白レベル+15などの調整が一律で最初から加えられており、何かしら他のDNGと区別がついているのも窺えます)。
Apple ProRAW、まだまだこんなのものじゃないでしょう
ちょっと極端な仕上げですが、RAWならあの逆光状態からこんな感じまで持って来られます。
しかし、これはおそらくApple Pro RAWではなく、通常のRAW。iPhoneでのRAW撮影自体は何年も前から専用アプリを使うことで出来たので、これでは腑に落ちません。
Apple Pro RAWって、DeepFusionやスマートHDR3などのコンピュテーショナルフォトのかかり具合までコントロールできるRAWデータなのかと思ってました。
今後現像ソフトが対応することで、そうした部分までいじれるようになるのでしょうか? なってほしいな〜。
まあ、純正のカメラアプリでRAW撮影できるようになっただけでも嬉しいんですけどね。
でも、こんなもんじゃないでしょう、やっぱり。
Photo: 照沼健太
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