思ってもみなかった「2022年問題」の発生で元旦からシステム管理者が大変な目に遭っているようです。
Microsoft Exchange Serverの不具合により1月1日からメール配信が不可能となり、対策が必要となっています。
符号付き32ビット変数を日付の格納に使用していたため発生
この不具合はMicrosoft Exchange Serverのプログラム上で、日付を格納するために使っていた変数の型およびその格納方法が原因で発生したものです。
Exchange Serverは内部で日付情報を保持するために符号付きの32ビットを変数型として使っていました。
この符号付き32ビットの最大値は2,147,483,647(16進数で7FFFFFFF)です。
そして、Exchange Serverは年、月、日などを10進数で並べたものをこの変数に格納していました。
たとえば、2021年12月31日は2,112,31x,xxxとなります(下4桁に格納される情報は不明)。この値は上記の最大値を超えておらず問題ありません。
しかしながら、2022年になったときの最初の値が2,201,010,001となり、符号付き32ビットの値域を超えてしまいました。
このため、
Error: 0x8004005. Error Details: Unspecified Error.
あるいは、
Error Code: 0x80004005. Error Description: Can’t convert “2201010001” to long.
というエラーが発生し、メール配信を司るMicrosoft Exchange Serverが正常に動作しなくなったとのことです。
マルウェアスキャンをアップデートする必要あり
この問題への対策としてMicrosoftは、マルウェアスキャン機能のアップデートを提案しています。
不具合が発生したのはFIP-FSと呼ばれるマルウェアスキャンエンジンのみであり、このエンジンのバージョンを「2112330001」にアップデートすることで問題が解決するとのことです。
しかしながら、同様の問題を他のプログラムが持っている可能性もあり、仕事始めとともにより多くの「2022年問題」が報告されることも考えられます。
Source: Microsoft via BleepingComputer, The Verge
(ハウザー)
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