Googleは1月5日(現地時間)、CES 2022の開催に合わせ、AndroidとChromebookやWindows PCなどの他デバイスとの連携を強化するための新たな取り組みを発表しました。「Androidとしては初めて、Windowsのような他のプラットフォーム向けの開発にも力を入れています」と公式ブログでは述べています。
まず、Bleutoothを利用したデバイスのセットアップが簡単になるFast PairがWindows PCでも利用可能になります。また、Android版のAir Dropとも言われている、近くのデバイスとファイル共有を行えるNearby ShareもWindows PCに導入されます。
興味深いことに、これらの機能はMicrosoftと協力しているわけではなく、Acer、HP、Intelとの協力で開発しているとのこと。
Windows(Microsoft)のAndroid連携と言えば、「スマホ同期」があるものの、この機能はSamsung製デバイスが優遇される傾向にあります。この辺りがGoogleの思惑と異なるため、メーカーと個別協力の形になっているのかもしれません。
今回Googleが開発中のこれらの機能は、今年後半に一部のWindows PCで利用可能になる予定です。
なお、ここで紹介したFast PairやNearby ShareはChromebookでも利用可能になります。さらに、ChromebookではPhone Hubに機能が追加され、スマートフォンのチャットアプリの通知をChromebook上に表示し、直接返信などを行えます。
さらに、Google TVやAndroid TVもFast Pairに対応します。さらに、Androidがスマートホームの標準規格となるMatterに対応することで、Matter対応のスマートデバイスをFast Pairを利用して数回のタップで接続可能になるとのことです。
このほか、GoogleはBluetooth対応のヘッドホンのテクノロジーを構築しているともしています。これにより、オーディオを聴いているデバイスを自動的に切り替えることができるとのこと。
例えば、タブレットでヘッドホンを利用して映画を観ている際にスマートフォンに着信があると、ヘッドホンの接続が自動的にスマートフォンに切り替わり、映画は一時停止。通話が終わると再び接続がタブレットに戻るという例が示されています。
これだけだと既存のマルチペアリングの仕組みと何が違うのかがわかりませんが、Appleデバイスのように、よりシームレスな連携が可能となるのかもしれません。
また、空間オーディオのサポートも追加され、頭の動きに基づいた没入感のある体験が可能になるともしています。これらの機能は、対応するヘッドホンで数か月以内に利用可能になるとのことです。
加えて、一部のSamsung製スマホとPixelにおいて、デジタルカーキーが利用可能になります。すでにiPhoneが対応していますが、同じくBMW車でAndroidからロック、ロック解除、起動が可能。また、今年後半にはUWBもサポートし、スマートフォンを取り出すことなくロックの解除が可能となります。
デジタルカーキーに関しては、より多くのAndroidスマートフォンや車種に導入するよう取り組んでいるとしています。
Googleのマルチデバイス・エクスペリエンス担当副社長のエリック・ケイ氏は、米Engadgetに「これは、アンビエント・コンピューティングのビジョンを実現するための基盤となる要素です」と語っています。
アンビエント・コンピューティングとは、デバイスを意識することなく、必要な時にユーザーを支援してくれる技術のこと。AndroidやWindows、Chromebookなどでこうした高度な連携を可能とする技術が利用可能になっていけば、デバイスの違いを気にせず好きな端末を利用可能になっていくのかもしれません。
Source: Google
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