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『デジボク地球防衛軍(略)』岡島さんにインタビュー。歴戦隊員と新規隊員が楽しめる爽快なゲームを目指す - 電撃オンライン

 ディースリー・パブリッシャーは、12月24日に発売するPS4/Nintendo Switch用ソフト『ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS』の開発者インタビューをお届けします。

 『デジボク地球防衛軍(略)』は、『EDF』シリーズ最新スピンアウト作品。ボクセル世界を舞台に、歴代レジェンド隊員と侵略者たちが夢の共演を果たし、さらにご当地EDF隊員“ブラザー”なる新キャラクターが多数登場します。

 シリーズ経験者はもちろん、新規隊員でも楽しめる本作について、プロデューサーである岡島信幸さんへのインタビューを行いました。

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ビジュアルの路線をポップにした理由は?

――本作の開発の経緯をお聞かせいただけますか?

 ナンバリングのシリーズ最新作である『地球防衛軍5』が発売されてから、既に3年と間隔がずいぶん開いてしまいました。

 こちらとしても、リリース間隔が開きすぎていることについて申し訳ないと思っておりまして、『地球防衛軍6』が出るまでの間にお客様に楽しんでいただけるものを提供できないだろうか、というところからスタートしました。

 スピンアウト的なものになることは決まっていたのですが、どんなものを作ったら喜んでいただけるのだろうかと考えた時に、過去の兵科や敵が出てくるオールスター的な要素をもった、ファンアイテム的なものならば喜んでいただけるのではないだろうかということで商品の方向性を意図しました。

 これまでナンバリング作品以外だと古くは『THE 地球防衛軍タクティクス』や、アメリカで作られた『EARTH DEFENSE FORCE: INSECT ARMAGEDDON』に、2019年発売させていただいた『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN』がありますが、ファンアイテム的なものはありませんでした。

――タイトル名が特徴的ですが、こちらにはどういう狙いがあるのでしょう。

 タイトルは、だいたい私の独断と偏見でつけているところがあります。今回は“デジタル”と“ボクセル”という単語を組み合わせて “デジボク”という造語を作りました。

 私は長いタイトルをつける傾向がありますが、今回頭に“ま~るい地球が四角くなった!?”がついているのは、コンセプトのためです。こういうネーミングは、ナンバリングの『地球防衛軍』シリーズと差別化するためには絶対に必要だと感じています。

 また海外でも発売するので、『EDF』のゲームであることをわかってもらう必要があるため、英語を入れた結果、長くなってしまいました。

――今回Nintendo Switchでも発売されますが、こちらの理由をお聞かせください。

 もちろん、現在勢いのあるハードであるということも理由ですが、もう1つ大きな理由があります。

 もともと『地球防衛軍』シリーズは、生身の人間が迫ってくる多数の敵や巨大な敵を倒していくというビジュアルやコンセプトが、老若男女に受け入れられる単純明快なゲームだと思っています。しかし、より臨場感や迫力のある戦闘を標榜するナンバリングタイトルでは自然と表現が過激になっていき、現在ではレーティングがD(17歳以上推奨)となっています。

 そのような事情もあり、もっと下の世代にもオススメできるようにするためには、表現をマイルドにして、若い隊員を募るべきだろうと考えました。ですから若年層にも人気があるNintendo Switchでのリリースを意図するのは自然な流れでした。

――若年層にも手にとってもらうためにビジュアルを一新されたのですか? それとも世界観のほうが先に決まっていたのですか?

 どちらが先ということはないのですが、若い隊員をスカウトするにはNintendo Switchは外せない。そしてレーティングも上がってはいけないとなると、リアルなビジュアルなのに表現をマイルドにするのは、どうしても違和感がでてしまいます。

 本作はオールスターもののファンアイテムで、今までのシリーズとは一線を画していることが一目でわかるようにしたほうがいい。この世界の地球ごと四角くすれば、筋が通りますし、子どものあいだで、四角いグラフィックに親和性があるということで、このようなグラフィックに方向性を定めました。

 ただ、今のグラフィックに行き着くまでにはいろいろありました。シンプルな直方体が6つだけで構成されたものとかも作ったのですが、しっかり関節を作らないと銃を撃ったり動いたりする時に不自然になってしまうんですね。3段階ほどの試作を経て、ポップな感じを出しつつもアクションに適した今のデザインになりました。

 頭身こそ低くなっていてポップなイメージがありますが、ある程度のディテールがあり関節までしっかりと作ってあります。

ご当地EDF隊員は100人以上登場させることが目標だった!

――巨大生物のデザインも四角くなっていますが、こちらで苦労はありましたか?

 隊員たちのビジュアルが決まった時点で方向性が定まり、今のデザインになりました。でも最初はもう少し簡素なものだったと記憶しています。

 ギサンダー(巨大アリ)も実はもっとカワイらしい見た目だったのですが、四角いなりに恐怖感があるいいデザインにしようと改変を重ねました。

――オールスターということで過去の作品から隊員や巨大生物を登場させるうえで、苦労された点は?

 多数のゲームの要素を一つのゲームに集約するということが一番大変でした。まずはナンバリングシリーズで考えてください。最初の『THE 地球防衛軍』から最新の『地球防衛軍5』までの間にいろいろな要素が加わりました。コンセプトは変わりませんがながら、少しずつ進化してきたのはご理解いただけると思います。

 そこに『INSECT ARMAGEDDON』や『IRON RAIN』といった亜種も加わりますので、これらのもともと似て非なるシステムで動いていたキャラクターを、1つのゲーム内でシステム統合して動かさなければいけないわけです。

 『デジボク地球防衛軍』のシステムに合わせるために、捨てる部分があればより太く肉付けしなければいけない部分もありました。

 また、同じ系統の陸戦兵やレンジャーでも、『地球防衛軍4』のレンジャーは走れないけれども、『地球防衛軍5』のレンジャーは走れるなどの違いがあります。もともとのゲームで走れるものは走れなければいけないけど、そうすると後発キャラの方が使い勝手がよくなってしまい、古い作品のキャラの性能が劣ることになってしまいます。そこで、緊急回避の性能を変えるなどして、バランスをとるように配慮しています。

――過去の隊員以外に新たに“ご当地EDF隊員”が登場していますが、誕生のきっかけを教えていただけますか。

 四角い地球を舞台としたオールスター的なゲームを作りたいと発案したのは弊社サイドでした。それをベースに開発であるユークスさんといろいろ話し合って作り上げていったのですが、その中で企画ご担当の方が突然「テーマは世界平和だ。バラバラになった地球をブラザーの力でもとに戻すんだ!」と熱弁されたことがあり、同時にご当地隊員のような要素が入ったのを見て、「それはおもしろい!」と感じました。

 ゲームに欠かせない収集要素をどうするかは重要な課題ですが、武器を集めるよりもキャラクターを集めるというアイデアは新しいですし、ナンバリングタイトルとの差別化も図れるということで採用を決めました。

――ご当地EDF隊員のバリエーションが豊かですが、これほどたくさんの種類を出すことは最初から決めていたのですか?

 どうせ出すのであれば、全部で100人以上はいてほしいと思いまして、それを目標にクリエイターの皆さんが次々と考えていきました。

 数が必要ですので少しネタ切れになりそうな時もあったのですが、不思議なことに普通の思考で考えたものよりも、ネタ切れになってきた時の思考で考えたものがおもしろかったりするのは不思議ですね。

――ご当地EDF隊員は国ごとの特色を持っていますが、国からコンセプトを決めたのか、キャラから国を決めたのか、どちらになりますか。

 テーマとしては国が先ですね。そこに合わせて武器やアビリティを決めていきました。ロイヤルブラザーやメイドシスターは、開発初期に生まれました。

 ただし、その国では何をモチーフにしたらいいのかすぐに思いつかない、苦労したものもありました。

 一番苦しかったのは、タピオカシスターですね。当時大ブームでしたし「タピオカをモチーフにするにはどうしたらいいのか」と考えて生まれたのが、どういう訳かあのキャラです。不思議ですよね……。

 ご当地EDF隊員は、見た目から先入観を受けるようなデザインでありつつ、使って見たら意外に思えるものがあります。全体的に斜め上の方向で仕上げてあるのですが、いろいろとさわって楽しんでいただきたいです。

――過去の兵科やご当地EDF隊員などのブラザーの説明文が、ユーモアたっぷりでこちらを見るのも楽しかったです。

 ゲーム全体の方向性をマジメで固いものにするのか、緩くするのかを最初の段階で決めました。メタ発言のようなものを含めつつ、緩い感じにしました。

 そのほうが親しみやすいですし、ナンバリングタイトルとの差別化も狙ってそのようにしています。

――メタ発言といえば、超巨大な怪獣のようなベイザルが出現した時に、「これはお披露目ミッションのようです」というメタ発言が印象的でした。

 こういう方向で、と私のほうからお願いしました。初めてプレイする人は意味がわかりませんが、これまでのシリーズを遊んでくださった方が多少ニヤッとできるネタを入れたいと思ったためです。

 このように巨大生物を「今回は倒せません」というミッションは、これまでのシリーズでもいくつもありました。そのためオペレーターの1人にメタ発言を言わせるというのは、意図を汲んでくださったクリエイターの狙ったところなので、楽しんでいただければうれしいです。

――戦闘中のボイスもこれまでにはない、楽しいものになっているのも意外でした。

 あまりシリアスなセリフは言わないようにしています。ストーリーも最初は「なんだ、このくだらない話は」と思わせる雰囲気ですが、最終的には「実はこうだったのか」というような、マジメな方向に進んでいきます。

 ただ、全体的には柔らかい雰囲気のゲームになるように演出として、脱力するようなセリフが多いですね。

ストレスを感じさせない、遊びやすいゲームに!

――本作は4人1組のチームを組んで戦うというスタイルで、ブラザーを自由に切り替えて戦えますが、このシステムが生まれた理由は?

 過去のEDF隊員に加えて、ご当地EDF隊員も登場して、とにかくキャラクターの数が多いゲームになっています。しかし、1人のキャラクターしか使えないのでは、キャラクターを多くした意味がなくなってしまいます。そこでキャラクターを切り替えて戦うようにしました。

 これまででもっとも大きく異なることは、過去の作品ではプレイヤーは1兵士で、最終的に地球を救う英雄となります。しかし本作では、プレイヤーはコマンダー(部隊長)なのです。操作するのはプレイヤー本人ですが、どんなチーム編成にするのかを考えていきます。

 その設定があるからこそ、これまでにしゃべらなかったようなシリーズのキャラクターをしゃべらせることができたのです。

――操作するキャラクターを瞬時に交代できて制約がないのは、爽快でよかったです。

 とにかくサクサクと動かしたいという思いがありました。ストレスを感じるようなことはとにかくしないようにと決めたので、自然と今の形になっていきました。

 PS4版の場合、△ボタンを押すとチームメンバーが一瞬で集まるのも、それが理由です。難易度が上がってくると味方がやられてしまうこともあるので、離れたところでやられるのを防げますし、標的としても役立ちます。

――アーマーや武器をコンテナから拾うシステムから一新したのも、それが理由ですか?

 ナンバリングの『地球防衛軍』では、落ちているアイテムを拾うことにこそ楽しみがありました。お金が貯まっていくような感覚です。

 私はあのシステムこそがナンバリング『地球防衛軍』を構成するアイデンティティのひとつと考えていますが、賛否両論あるのは事実で苦手な人もいます。

 本作では、キャラクターを集めていくのが収集要素となっています。キャラクターを集めたうえでさらにアーマーや武器を集めるとなると、サクサクと進めたいゲームの方向性とは趣が異なるという懸念もあります。

 最後の1匹を残してマップを動き回るのではなく、出てきた敵はすべて倒すという簡潔な目的に絞ったほうがいいと思いました。

 戦場でアイテムを集めるのはナンバリングで楽しんでいただいて、『デジボク地球防衛軍』は完全に違うものにしてみようと思い、今回の形を採用しました。これもナンバリングシリーズとの差別化という部分ですね。

――新規隊員はどんなことを意識してプレイするのがいいでしょうか?

 ありのままを楽しんでいただけたら、と思いますよ。

 プレイヤーの遊び方についていろいろ想定する中で、こんなシチュエーションで楽しんでいただけたらうれしいな、と思ったことがいくつかあります。

 例えば、昔からの隊員の中にも、父親になった方もいらっしゃると思います。今までの作品だとお子様と一緒に遊びにくい部分があったと思いますが、本作であれば一緒にプレイできると思います。地球を守る楽しさや助け合うよさ、高難易度の厳しさなどを、親子で味わってもらえるとうれしいですね。

――最後に本作を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

 これまで幾度も地球を守り抜いてきた歴戦のEDF隊員も、地球を防衛したかったのに虫が苦手で守れなかった方も、本作『デジボク地球防衛軍』はみんなで仲よく遊べます。

 ぜひ、世代を超えて地球を防衛していただきたいと思います。四角い地球をあなたの手で守ってください!

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