いずれもコンセプトモデルであり,このまま製品化されると決まったものではないが,Razerらしいこだわりが見られるものなので,簡単に紹介したい。
Project Hazel
2020年中にRazerは,新型コロナウイルス感染症の世界的なまん延にともない,布製マスクや使い捨てマスクを製造して販売するだけでなく,100万個以上を寄付するなどの活動を世界で行っていた。
Hazelは,米国労働安全衛生研究所が認証する規格「N95」に準拠した再使用可能なマスクである。顔を覆う部分は半透明の樹脂系素材となっていて,口の動きが外から見えるようになっている。また,口の横に当たる左右にスピーカーのような電動の呼吸孔があり,交換可能なフィルターを通して外気を取り込み,呼気を排出できるそうだ。
Razerらしいポイントの1つめは,マスク着用時の声によるコミュニケーションを改善する「VoiceAmp Technology」という機能にある。マスクに内蔵するマイクとスピーカーにより,マスク着用時はくぐもって聞こえがちな声を明瞭な音声として出力できるという。
もう1つのRazerらしいポイントは,Razer Chroma対応のカラーLEDイルミネーションをメッシュ部分の周囲に組み込んでいることだ。
Razerでは,発表後に得られたフィードバックをもとに,製品化を行うかどうか判断するという。製品化にこぎ着ければ,世界市場に向けて展開するとのことなので,国内でも買えるようになることを期待したい。
Project Brooklyn
Brooklynは,レーシングシート風のシートを採用しており,座面の左右と脚部分の周囲に,Razer Chrome対応のカラーLEDイルミネーションが埋め込まれていること以外は,普通のゲーマー向けチェアに見えるだろう。しかし,Brooklynは普通の椅子ではない。
Brooklynの背には電動式のアームが収納されており,アームを展開すると,着席したプレイヤーの前に60インチサイズのフレキシブル有機ELディスプレイが自動で広がる仕組みとなっているのだ。
フレキシブル有機ELディスプレイは,CES 2020でLG Electronicsが画面を巻き取って台座に収納できる有機ELテレビを発表して話題となったが,同種の技術を応用して,未使用時は椅子の背にしまえるディスプレイを実現したわけだ。
さらに,肘掛け部分には折りたたみ式のテーブルが組み込まれていて,キーボードやマウス,あるいは飲み物を置いたりするのに利用できる。
背もたれ部分と座面には,Razerの触覚フィードバック技術「Razer
こちらもコンセプトモデルなので,製品化するかどうかは反響次第であり,仮に製品化されてもかなり高価な製品となるのは間違いない。しかし,実にRazerらしいゲーマー向けチェアと言えるのではないだろうか。
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