カプコンは7月20日、Steam版『バイオハザード ヴィレッジ』へアップデートを配信した。アップデート内容としては、まずAMD社が提供するアップスケーリング・テクノロジーを搭載したAMD FidelityFX Super Resolution(以下、FSR)に対応している。また、コピー防止技術の適用処理について最適化の調整がおこなわれているという。
FSRはゲーム用の超解像技術だ。AMD独自のアップスケーリング・テクノロジーにより、高い品質を維持したまま高解像度化し、フレームレートの向上を実現するというもの。FSR対応ゲームにおいては、「パフォーマンス」モードを適用した場合、4Kで平均2.4倍のパフォーマンスが実現するという。4種類のクオリティモードが利用可能となっており、もっとも高い画質とパフォーマンスを維持するバランスを選択することができる。またFSRは複数プラットフォームやグラフィックカードをサポートしており、AMD社製のGPUだけでなくNVIDIA系ビデオカードでも利用可能となっている。
『バイオハザード ヴィレッジ』はもともと、推奨スペックの場合、グラフィック「画面品質重視」設定で1080p/60fpsのゲームプレイが可能。グラフィック「レイトレーシング」設定では、4K/45fps、4K/60fpsのゲームプレイが可能とされていた。FSRを利用することで、高解像度におけるフレームレートがより向上することが期待できる。
またコピー防止技術の適用処理についてのアップデートには、最近の報道が関係しているだろう。今月上旬、『バイオハザード ヴィレッジ』PC版のコピーガードがクラックされ、それによりゲームのパフォーマンスが向上したとの報告が海外メディアで伝えられた(関連記事)。同作で採用されているコピーガード「Denuvo Anti-Tamper」は強固な半面、ゲームプレイ中のパフォーマンスを低下させるとして批判を受けることもある。
また『バイオハザード ヴィレッジ』についてはDenuvoに加え、カプコンによる独自のコピーガードが施されており、こちらが、虫が飛び交うシーンや敵を倒す際などに発生しうるカクつきの原因となっていると指摘された。このほか、カプコン側のコピーガードがDenuvoの仮想コンピュータ技術を利用して難読化(Obfuscation)されており、その点もゲームのパフォーマンスを低下させているなど、海外クラッカーによる指摘が多数挙がっている。
海賊版ユーザーによる一連の指摘は、その後テック系メディア Digital Foundryにより検証された。実際にテストした結果として同メディアは、クラックされたバージョンのPC版『バイオハザード ヴィレッジ』において、主要なパフォーマンス上の問題が改善されていると報道。その後カプコンはこうしたメディアに対し、Steam版のアップデートをおこなうと表明していた。そして今回のアップデートに至っている。
『バイオハザード ヴィレッジ』はSteamほか、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中だ。
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