最高オブ最高のようです。
Googleは、Google TVを搭載した新デバイス「Chromecast with Google TV」がアメリカで販売開始しました。現時点では日本非対応ですが、いずれ提供予定とのことです。お値段も機能も素晴らしく、ストリーミングデバイスの最本命として急上昇。日本でも販売開始が待たれますが、米Gizmodoによる絶賛レビューをお届けします。
まず製品レビューの前に、「Chromecast with Google TV」という製品名について一言触れておきたいと思います。今回登場したGoogleの新しいストリーミングデバイスは、スマートフォンで再生している動画や音楽などを、テレビやスマートスピーカーにミラーリングできますが、それがメインの機能ではありません。Google TVの搭載により、視聴体験を底上げして、競争力を高める今まで皆が求めていたものです。プロダクト名の最後に「with Google TV」が足されていますが、製品名が単に長くなっただけではなく、製品の魅力をわかりづらくしてしまっていると思います。「Google TV」の方がメインであるべきで、Chromecastは補助的な機能のはずです。
Chromecast with Google TV
これはなに?:動画コンテンツなどを視聴できるスティック型のメディアストリーミングデバイス。
価格:50ドル(約5200円、日本未発売)
好きなところ:リモコンもついてお手頃価格。Android TVが搭載され、Googleアシスタントも使える。アプリや動画配信サービスの映画やドラマ、現在放送中のライブコンテンツの視聴ができ、リモコンはIR(赤外線)とCEC対応、4K HDRもサポートしています。
好きじゃないところ:付属の電源ケーブルがちょっとダサい。現在サポートされているライブTVサービスはYouTube TVのみ。再起動時に時折ラグが発生することがある。
Googleはこれまで、ソニー、Hisense、Nvidia、Xiaomi等のテレビやセットトップボックスのプロダクトにAndroid TVを提供していましたが、Google 自社製品は、2016年に発売されたChromecast Ultraしか選択肢がありませんでした。NetflixやHulu、その他のサービスのコンテンツはChromecastで、スマホ等のデバイスからキャストして見ようと思えば視聴できましたが、リモコンやUIが無かったので、AmazonやApple、Rokuなどの競合のストリーミングデバイスと比較して、マイナスポイントが明確に存在していました。しかし今回登場した50ドル(約5200円)の「Chromecast with Google TV」は、ストリーミングデバイス戦場の最前線に急浮上です。
インターフェースに優れたGoogle TVに対応
「Google TV」は、Appleの「Apple TV」やAmazonの「Fire TV」と同じようなプラットフォームサービスで、2010年に登場、その後「Android TV」に統合されましたが、今回Google TVとして復活したような形になり、つまりAndroid TVで出来ていたほぼ全てのことが可能です。
Google TVの真価はイケてるユーザーインターフェイス。コンテンツに合わせたダイナミックな背景が特徴のデザインで、とってもゴージャスな印象です。例えば映画コンテンツのサムネイルにカーソルを重ねるとその映画のワンシーンが背景に現れ、また野球の試合のサムネイルにカーソルを重ねると、背景はプレーしている2つのチームのロゴが表示されます。だからといってコンテンツの内容が変わるわけではありませんが、テンションが上がります。
インターフェースの上部には「Search」タブがあり、さらに「For You」「Live」「Movie」「Shows」「Apps」「Library」と続きます。 Google TVは視聴可能な特定の番組や映画を、さまざまなアプリやプラットフォームを横断して検索でき、付属リモコンのGoogleアシスタントボタンを押して、音声で検索することもできます(この機能については追って紹介します)。
各動画配信サービスにサインアップしている場合は、番組をクリックすると、メニューや設定をスキップしてそのままコンテンツを視聴することができます(Apple TVのアプリの動作に似ています)。
「For You」タブは、すでに視聴したコンテンツを分析(要オプトイン)することで、他のどのプラットフォームからでも、好みと思われるコンテンツをオススメしてくれるようになります。これはNvidia Shield TVなど、他のGoogle TVでも提供されているもので、評判の良いものです。例えば、視聴中のドラマの新しいエピソードがYoutube TVに追加されると、自動的にポップアップ表示。Youtube TVアプリをわざわざ起動させる手間もなく、そのままクリックして視聴開始することができます。また夢中になっている番組をピックアップしてくれたり、そのユーザーが興味ありそうな番組を提案してくれます。何か見たいけど、自分の見たい番組が何なのかわからず、見たい番組を選んでるだけで1時間たっちゃった…なんて人にとっても便利そうです。
「Live」タブでは、現在放送中のテレビ番組を統合して表示します。これがとても便利で、ライブコンテンツとオンデマンド動画を簡単にスイッチできるようになっています。現状(米国では)Google TVに統合されているライブTVサービスはYoutube TVのみですが、Googleによれば今後サービスを追加予定とのこと。Sling TVや、AT&T TV Now、Hulu with TVその他のサービス課金者はもうしばし待つ必要があります。(もちろん手動で各サービスアプリを開けば視聴可能です)。YouTube TVユーザーなら、配信中のコンテンツリストに直接アクセスすることができます。
「Movies」「Shows」タブの中も非常にわかりやすく、人気タイトル、新番組、Googleのトレンドなど、各配信サービスのコンテンツを横断してオススメしてくれます。さまざまなジャンル(コメディ、ドラマ、ドキュメンタリーなど)からアクセスすることもでき、ここで表示されるコンテンツは、基本的にすでに契約している配信サービスのものが表示されますが、トレンドによって必ずしもそうとは限りません。
「Apps」タブは、新しいアプリをダウンロードしたり、すでに利用しているアプリを整理するためにアクセスするところです。「 Library」タブは、Googleから購入したすべてのコンテンツへのクイックアクセスができる場所です。また、また、YouTube TVで録画したコンテンツにもアクセスできます。
ハードウェア面もいい感じ
続いてハードウェア面についてレビューしていきましょう。
カラバリは3色(Snow、Sunrise、Sky)で、テレビのHDMIポートに直接差し込むことができます。USB(USB-AからUSB-C)の電源ケーブルからコンセントに常時差し込んでいる必要があります。ほとんどの人はWiFiからインターネットに接続すると思いますが、有線で接続したい人は、20ドル(約2100円)の「Chromecast with Google TV」用のイーサネットアダプタを使うオプションも用意されています。デバイスのプラグを抜いた時か手動で再起動した時に、唯一パフォーマンスのラグを感じました。
そして付属リモコンが便利。(最もポピュラーな配信サービスである)YouTubeとNetflixの専用ボタンがあり、直接それぞれのアプリを起動できます。またリモコンには「戻る」「ホーム」「ミュート」そして「Googleアシスタント」ボタンがあり、音声でコンテンツを検索したり同じWiFiネットワーク上のスマートホームデバイスを操作できます。なお、このリモコンは2つの単4電池が必要です(充電できる仕様だったら良かったのですが)。
「Chromecast with Google TV」のリモコン底面には、電源ボタンと入力切替ボタンがあります。IR(赤外線)と、HDMI-CECにも対応しているので、リモコンをテレビと同期させて、簡単なテレビ操作も行なえます。このリモコンひとつで、Google TVはもちろん、テレビの操作もある程度できるので、テレビのリモコンをどこかに閉まって、ミニマルさを保つことができます。セットアップも非常に簡単で、1-2分で完了。最初に「Chromecast with Google TV」を起動すると、始めにリモコンとテレビが正しくペアリングされるように、ステップで案内してくれます。
すでにストリーミングTVボックスを活用している人にとっては、Google TV のインターフェイスは完全に真新しいものではないと感じると思いますが、おなじみのアプリ、コンテンツ提案、そのコンテンツをすぐに視聴するための便利なショートカットなどが提供されていて、Googleアシスタントで、全てを横断してつなぐことができます。「今日のニュース」や「今日の天気」をGoogleアシスタントに尋ねたら答えてくれるように、音声で簡単に検索したり新しい番組を見つけられます。
さらに、Google Nest Hub Maxのセキュリティカメラを利用しているなら、テレビの右上にカメラのライブビューを表示するようにGoogleアシスタントに指示することもできます。
オススメのストリーミングデバイスです
さらに競合製品と比較してみても「Chromecast with Google TV」は、よりスマートで優れていると思いました。使いやすくてUIもかっこいいApple TVだと、一番安いもので1万5,800円(4Kは1万9,800円)ですが、Google TVの4倍の価格です。Android TVのデバイスとして優れているNvidia Shieldも150ドル(約1万6,000円)ですね。
この価格帯の競合製品は限られていて、50ドル代(5,000円〜6,000円代)だと、AmazonかRokuになります。Roku Streaming Stick+ は、Dolby Vision非対応(100ドルの Roku Ultraの方は対応)になるので、残る選択肢は、6,980円のAmazonのFire TV Stick 4Kが最も近い競合製品になります。Fire TV StickはAmazon Fire TVから、Apple TV+アプリにアクセスできるという利点もありますが、リモコンがChromecast with Google TVに比べてイケていません。そしてGoogle TVのインターフェースの方がより直感的でデザインも優れていると思います。
つまり、Amazonのエコシステムにどっぷり使っていないのであれば、今なら「Chromecast with Google TV」の方がオススメです。
最後に
・Google TVはAndroid TVをベースにしているので、Apple TVを除くすべての大手のストリーミングサービスをサポートしていますが、OTTLive TVは現在YouTube TVに限られています。
・Chromecast with Google TV は、今のところGoogle Stadia(日本未対応)はサポートしていませんが、2021年前半に対応予定とのことです。
・この秋から「Google Playムービー&TV」アプリは「Google TV」にリブランドされています。
・日本では未発売ですが、いずれサポート予定とのことです。
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