ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が12日に発売した新型家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」は、一部の店舗で予約の抽選倍率が100倍になるなど、事前予約で完売し、発売当日に小売店での店頭販売が実施されないほどの異例の品薄となっている。性能の高さが売りのPS5に対し、史上最多の売り上げを期待する声もある。ただ、定価の2倍以上での転売も横行しており、ソニーは対応を誤れば、お祭りムードに水を差しかねない。
ソニーはPS5の初年度の販売目標としてPS4の初年度実績の760万台超えを掲げる。楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリストは「PS5は税込みで5万円台だが、十数万円のゲーム用パソコンと同等の性能」と指摘、「海外のゲームユーザーの関心が高く、当面は製造した分だけ売れる」と分析する。今中氏は「6年で2億台は堅い」と7年弱で約1億台を売り上げたPS4のほぼ倍の売れ行きを予想する。
世界のゲーム市場は欧米が大半を占める。ソニーも欧米優先の姿勢を強めており、PS5の国内流通には時間がかかりそうだ。
こうした状況に、ソニーや量販店が実施した予約抽選には転売目的の応募も殺到。ある量販店では倍率が100倍にまで膨れ上がった。その結果、フリーマーケットアプリやネットオークションではPS5が十数万円で取引されており、品薄に拍車が掛かっている。
米国での抽選では実際にゲームを遊んだ履歴がある人が優先されるなどの転売対策がとられた。日本での対策について、ソニーは明らかにしていない。
ソニーは5日、公式ウェブサイトで「発売日に関してはご予約分にて完売となっております」とコメントした。動画投稿サイト「ユーチューブ」の有名配信者を起用し、期待感をあおるような宣伝を繰り返していただけに、ゲームファンの落胆は大きく「もう少しユーザーのことを考えて発売してほしかった」などと批判が殺到している。
PS5は製造コストが価格を上回る「逆ざや」とみられる。ソニーはゲーム機本体の価格を抑えて普及させ、月額課金サービスやゲームソフトの売り上げで稼ぐ中長期の戦略を描く。転売によって本体の流通が阻害されれば、収益モデルが根底から崩れる。企業倫理に詳しい慶応大の梅津光弘准教授は「転売の規制は難しい。企業は転売されることを前提に、流通を管理しなければ、消費者は離れていく」と話した。(高木克聡)
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