ガジェットへの熱量。
見た瞬間に欲しくなる。スペックや機能を知って、恋焦がれる。そんな一目惚れガジェットあります。米GizmodoのNelius記者にとって、Asus ROG Flow X13もどうやらそんなガジェットだったそうです。が、一瞬にして心奪われた後にすぐ冷めたとかかなんとか。何があったのか、レビュー見てみましょう。
CES 2021で初めて、2-in-1ゲーム用ノートPCという言葉を聞きました。これって新ジャンルですよね? 前はなかったですよね? タブレットにもなるノートPCとゲーム用ノートPCは、排熱やパフォーマンスを考えるとまったく異なるものです。そもそもターゲット層が違います。が、GPUが小さくなり、CPUの熱が下がった今、どうやらこの2つが合体する時がきたようです。相反する2者は、実は、互いに惹かれ合う相性がいい2人だった?! Asusが、2-in-1ゲーム用ノートPC、ROG Flow X13を出してきました。
Asus ROG Flow X13
これは何?:Asus初の2-in-1ゲーム用ノートPC。
価格:eGPU(RTX 3080)とセットで3000ドル。
好きなところ:デザイン、シャーシ、プロセッサ、ポータビリティの良さ。
残念なところ:価格、ノートPC単体での購入ができないこと、グラフィックカード、悪くないけど良くもないバッテリー。
通常のCESならその場で触ったりタイプしたりしますが、今年はヴァーチャル開催。なので、レビュー用に端末が手元に届くまで、なんとなくそこそこ大きいんだろうなと勝手に思っていました。が、いざ持ってみると予想より小さい。もちろん市場最も薄い・軽い2-in1端末ではありません。しかし、ゲーム用端末だと考えると、驚きのサイズ&軽さと言っていいと思います。
11.8 x 8.7 x 0.6インチ(約30 x 22 x 1.5センチ)で、2.9ポンド(約1.3キロ)。16:10比率の13.4インチタッチディスプレイ。ノート、タブレット、その他どんなカテゴリでも対応できそうだと思えるくらいシャーシデザインが秀逸で幅広くカバーできると思います。360度ヒンジさまさまです。どんな軽量小型ラップトップが来ても十分戦えますし、コロナが収束して飛行機に乗る日が来た時は、あの折り畳みテーブルの上でも十分活躍できそう!
外観デザインのオールブラックは、他のラップトップのカラバリと比べても嫌いじゃないですね。2-in-1という立ち位置だからか、上部のさりげないエンボス加工とキーボード下のエンボス加工がマッチしているからか、真っ黒でもなんか好き。キーボードの配列は、ROG Zephyrus G14/G15と同じで、キーとキーの間隔も十分でタイピングしやすいと思います。もし、上部のエンボスと360度ヒンジがなかったら、ぱっと見Zephyrus G14/G15と間違えるかもしれません。非常に美しい端末で一目惚れしちゃいます。
中身は、AMDの最新モバイルプロセッサのRyzen 9 5980HS。(1つ下のRyzen 9 5900HS採用モデルもあるんですが、どちらにせよハイエンドなことに変わりなし)。CPUガンガン使うタスクを2-in-1端末でやりたいという人なら間違いなくあり。Blenderの3Dイメージレンダリングでも、Handbrakeの4K動画から1080pへのトランスコーディングでも、Intelの11世代Core i7-1185G7とAppleのM1に勝ってますから。マルチコアの賜かと。シングルコア性能では、Core i7-1185G7とM1に引き分け。Intelの10世代Core i9-10885Hにも、Blender/HandbrakeのRAW性能で勝ってます。
さてさてIntelのCore i7-11375H Special Editionとはどうやりあうのか、楽しみですね。Intelいわく、AMDの4800HS/4900Hモバイルプロセッサより速いそうですから。あとResizable BAR対応なのでね。Intelは3月には11世代のHシリーズプロセッサを発表予定で、そちらは8コア/16スレッドなので、間違いなくAMDの8コア/16スレッドRyzen 9 5980HSとバッチバチになるかと。とはいえ、今の段階では、ゲーム用・軽量ノートとしてはRyzen 9 5980HSがモバイルプロセッサのトップラインです。
恋愛ではよくあることですが、情熱的に盛り上がった後、ふと冷静になると相手のアラが見えることがあります。残念ながらROG Flow X13の恋もそのパターンかも。レビューで触ってると、ちょいちょい残念なところが見えてしまいました。まず、USBポートが1つしかない。Bluetoothあるし、トラックパッドもめちゃくちゃスムーズなので、大丈夫と言えば大丈夫なんですけどね。もしUSBマウス使いたいとなれば不便かと。一方で、HDMIポートがついてるし、USB-Cポートは充電口にもなるので贅沢言っちゃダメなのもわかるんですけれど。
あとはエアフローが気になりますね。ノートPCモードで使う場合、ディスプレイ側の角度を115度にしないと、空気の流れが最効率化できないという問題あり。たとえば、90度だと底と後のエアフローをブロックしてしまうことになり、結果パフォーマンスにも影響がでます。試しにBlenderでベンチマークしてみたんですが、90度で使用すると、115度時よりもプロセス時間が1分延びました。
パフォーマンスはさておき、触った感じが熱くなりすぎるということはありませんでした。40度くらいで肌にはほんわかくらい。CPUは、複数のゲームをマックス性能でベンチマーク用に流している時にでた82度が最高値。バッテリーもちが6時間で、悪くはない、平均よりは長いものの、ゲーム用としてはもうちょっと欲しかったなぁ。CESででてきたAMDのRyzen 5000Uシリーズがバッテリーもち21時間なので、完敗です。
1番気になったのは、GTX 1650 Max-Qが搭載されているということ。ここはSurfaceBook 3みたいに、GTX 1660 Ti Max-Q搭載で、端末のウリである軽くてポータブル性の高い2-in-1端末というキャラを優先して強調した方がよかったのではと思うのですけれど。
あとは、現段階ではROG Flow X13の購入はAsusのeGPU RTX 3080とセットになっており、結果その価格が3000ドルになってしまうということ。ROG Flow X13に惹かれるけど、RTX 3080ほどパワーのあるグラフィックカードは必要ないという場合、チョイスがありません。ちなみに、レビュー用端末にはeGPUついていなかったので、ゲーム端末というよりも普通の2-in-1端末としての色が強かったのですが、それでも『Overwatch』など十分ゲームを楽しむことはできました。ROG Flow X13単体での購入はできないという制限によって、ROG Flow X13が必要以上にニッチな存在になってしまっているというのが現状。
そこで、タイトルにある「一瞬で恋に落ちたけど冷静になると…」に戻ります。Asus ROG Flow X13、買えるなら買いたいですよ。バッテリーもちが気になるものの、それ以外すべてサイコーなので数時間のバッテリーは我慢しますよ。でも、冷静になるとオススメはできない。だって、eGPUなしの単体購入ができないんですから。RTX 3080 eGPUがセットになっている3000ドルの2-in-1端末、欲しい人はかなり少数、非常にニッチな端末になっちゃてるんですよね。
まとめ
・デザインよし。
・超軽量で持ち運びしやすい。
・バッテリーもちはまぁまぁ。
・CPUが超高速なので、せっかくならもうちょっといいGPUとペアになってればなぁ。
・RTX 3080 eGPUとセットで3000ドル。今のところ、ノート単体での購入オプションなし。
Source: Asus
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